markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

Marshall JTM45のうんちく  その2

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 写真はJTM45の音の再現を試みたアンプ(技術アドバイザー製)と電源トランス・出力トランス・チョークトランス(アテネ電機製) 

 

 

英・米の電圧の話をしておきます

ギターアンプなどに利用する一般的な電圧は、イギリスが240V、アメリカは120V、日本は100Vですね(他の多くの国では220Vあるいは110Vというのが最も多いのですが)。

イギリスは高電圧/小電流、アメリカは低電圧/大電流であり、アンプに使用される電源ケーブルもイギリスは細め、アメリカでは太めとなります。アメリカの最もちっちゃなでアンプ「チャンプ」(出力5W弱)のケーブルの方が、マーシャルの100Wアンプより太いケーブルだったりします。もちろん、一次側フューズの定格アンペアは同じアンプでも使う国により違ってくるので注意しなければなりません。

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Marshall JTM45のうんちく  その1

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 写真The Whoの左の横並びのマーシャルキャビネットとJTM45、右のPetaの2段重ねのマーシャルキャビネットFender Bassman(出典:

The Marshall 'Stack' | Pete Townshend’s Guitar Gear | Whotabs

以前、JTM45の概要を「Marshall Ampのトランスの歴史」でも記載しましたが、弊社技術アドバイザーよりもう一度おさらいをさせていただきます。

markdadao.hatenablog.com

そもそもJTM45のネーミングですが、Jはジム・マーシャル本人、Tは一緒に店で働いてくれている息子のテリー・マーシャルの頭文字、つまりJIM&TERRY/Marshall・・・それと45は45wアンプという意味でつけられたと言われています。彼らの店は若い、あまり金のないミュージシャンの卵達が入り浸っていたそうです。もともとジムはドラマーで、ドラム教室をやり、息子のテリーも10代の頃よりそこそこの人気バンドでサックスを吹いていたそうです。金には困らない、主にジャズミュージシャン達は同じロンドンでもジムの店ではなく、もっと高級な楽器店に出入りしていたとされます。当時のイギリスでは気の利いたベースアンプは無く、輸入物のフェンダーはかなり高額で若者には手が出なかったとか、、、そこで貧乏な若手ベースマンは、間に合わせの真空管アンプを手作りしたり、オーディオアンプを流用していたとのことです。ただしスピーカーキャビネットは適当なものがなく、ジムは彼らのために12インチ4発の、結構ごつくて立派な、とても良質なキャビネットを製作しました。これがかなり評判となり注文が殺到し、本格的にスピーカーキャビネットを作り始めたのです。

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Marshall JTM45に使用されているトランスについて

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最近、熱心に質問をされているユーザーとのメール返信の概要を、弊社技術顧問のアドバイスによりブログ用にまとめました。

 

 

1962年製と表記されていますが、JTM45はプロトタイプで世には出ていないと聞いております。実際販売を始めたのは1963年製からです。63年に制作されたOffset Chassisと呼ばれる、とても歴史的に貴重なJTM45で間違い無さそうですね。キャビネット正面から見て右側いっぱいにシャーシを片寄せて取り付けてあるアンプで、こうするとかえって重量バランスが良くなるのです。写真のトランス類はRSです。DELUXEと呼ばれている出力トランスに、合わせカバー上部に一次側電圧セレクト切り替え機構を持つ電源トランス、お手本のフェンダーに比べてとても大きなインダクタンスのチョークコイル、その他トランス以外にもポットのツマミ等々にもこのアンプの特徴がみられます。

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富岡市グルメ フランス料理 ユジェーヌ Bistro EUGEN

f:id:markdadao:20170831182304j:plainフレンチ料理のオシャレな個室レストラン。出来れば予約をした方が良い。と言うのも、一度フリーで寄ってみたが満室で今回は電話予約。何せ8部屋しかないようだ。

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Jアラート(72年ぶりの空襲警報)

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8月29日早朝のJアラートは72年ぶりの空襲警報であり、時間の経過とともにJアラートを鳴らしたのは安倍首相のパフォーマンスだとか、早朝から起こされた、電車が止まってしまった、アラートが鳴って数分では何もできない、などだんだんと主旨が変質化している。少なくとも関東以北の国民に危機管理意識を呼び戻したのは、それなりのきっかけになったのではなかろうか?

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「十五歳の戦争」を読んで

 

十五歳の戦争 陸軍幼年学校「最後の生徒」 (集英社新書)

十五歳の戦争 陸軍幼年学校「最後の生徒」 (集英社新書)

 

 

今年の終戦記念日は西村京太郎著による「十五歳の戦争」、副題陸軍幼年学校『最後の生徒』を読んだ。

北朝鮮とアメリカによる恫喝にあけくれる8月、国際法を無視する国のトップ同士だから戦争のリスクは避けられない。しかしそれぞれのトップ周辺は会話による解決に腐心しており、両国は挙げた手のおろし場所を探っている。両ブレーンはトップを諌める術を持っていないので「腐心」とあえて言う。

 

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「世界遺産への道を拓いた男たち」を読んで

 

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大塚製薬の社内報「大塚薬報」の2017年5月号に「世界遺産への道を拓いた男たち」、副題「旧富岡製糸場の見えない礎」の特集号がある。これを著したのは、紀行作家であり一級建築士稲葉なおと氏である。

歴史にはスポットライトを浴びた人達と、逆に時間とともに埋もれてしまった人達がいる。著者は副題の「見えない礎」に着目し、旧富岡製糸場世界遺産への過程で、影の立役者である4名に光を与えている。

しかし、残念なことに社内報では一部の限られた読者ということで、この稲葉氏から見た事実をブログに載せることで、少しでも多くの人たちに知り得て欲しいと願う。

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最近のニュースから考えること 2017/07

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ニュースでアメリカ海軍のイージス艦とフィリピン船籍のコンテナ船との衝突原因はイージス艦にあるとの小さな記事を見る。当時は7名の海兵員が犠牲との報道以外に原因究明は地位協定によりアメリカにあるとの事だった。

誰もがその責はイージス艦にあると思っていただろう。大型の民間商船は経済的にも合理的な航路を決められた通り航行していると推定され、並走しているイージス艦へ船首を急に向けるとは想像し難い。原因は見張りがコンテナ船を見落としており、さらに気づいた後の、管制塔への情報伝達の遅滞。これが事実であれば、有事の際の戦闘行為は何をか況やである。

北朝鮮ICBMはアラスカとハワイが射程内に入ったとして、ハワイ州では核爆発に対するガイドラインを発表し、11月には訓練を実施するとのこと。要はアメリカはすでに北朝鮮との間で有事と判断しており、北朝鮮への渡航禁止も予定しているようである。すでに北朝鮮の1800トン級の潜水艦が日本海で活動しており、何回と繰り返すミサイル試験発射を考えるならば、日本も核爆発への対処を準備した方が良いのでは?

 

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秋田日帰りビジネス旅行記

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3年もお付き合いをしているお取引先へ初めて出向くことになりました。11月頃初雪があり、12月より本格的な降雪に見舞われ、3月頃でも道端には高く積まれた残雪があると言う、秋田の横手を訪問。

高崎から大宮へ出て、秋田新幹線こまちへ乗りかえる。大都会仙台までノンストップ。丁度昼時分、売り子さんが後ろの席へ幕の内弁当を。ここまで来たのだからと、私はヒモを引いて温める牛タン弁当を。これは冬、米沢へ行った時、食べながら暖をとった思い出がある。

盛岡を過ぎると、新幹線には珍しい単線「さしまき駅」で上り電車待ち、田沢湖、角館そして大曲へ到着。この大曲駅では次の終着駅である秋田へスイッチバックする。後ろ向きに走る訳である。新幹線の改札口から運転士と車掌も代わるためにやって来た。秋田新幹線は単線とスイッチバックによるコスト低減、青函トンネルを抜ける北海道新幹線も在来線との共用でレールを3本引くなど同様なフレキシブルな決断の結晶である。

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「イノベーターたちの日本史」を読んで

 

イノベーターたちの日本史

イノベーターたちの日本史

 

 

サブタイトル「近代日本の創造的対応」、著者は一橋大の「イノベーション研究センター」特任教授などの米倉誠一郎教授。東洋経済新報社が2017年5月に出版している。

このブログを読む前に以下の過去記事を読み直していただければ、著者のひととなりを知る事が出来ると思う。 

 

markdadao.hatenablog.com

明治維新前の砲術家「高島秋帆」から明治維新直後の志士たちの官僚としての働き、明治政府の対応、三井・三菱の財閥の対応、科学者「高峰譲吉」らの第2次世界大戦までの働きが描かれている。目次の他に終章(エピローグ)で全体の流れが一望できる。

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