日本は近隣諸国の中国、北朝鮮、ロシアによる武力行為に対抗し、昨今は侮られぬよう反撃能力を持ち、国家間のパワーバランスを保つ事に舵を切った。これは止む負えぬ選択であり賛成はするものの、敗戦の歴史を学ばなければと思う。
半藤一利著の「日本人の宿題」に参考になる内容を以下に記す。
戦前昭和の日本人の傾向として、一番目に「国民的熱狂」が危険。二番目に現実を直視せず、観念的に外圧に対処する「観念論」を好む。三番目は自分たちの得た情報が正しく他の情報を認めないエリート集団を作りやすい。四番目は国際的な大きな情報への対処の仕方が下手。五番目はせっかちのため、長い視野である一つの方向を決めることをしない。これらが日本という国を滅ぼしたと思う。
人間の「心」というものは40年も経つと何か新しいものを求める。その新しいものの求め方を間違うと、とんでもない方向に走る。
歴史というのは、自分が転換点にあるとか、危機にあるとか、そんな事に気づかず生活している。
論理的にものを考えることができる能力をきちっと教育で養わないと駄目。教育は十年経つと随分変わる。
無私の精神を自分の心の中にもう少し持つようにしたら、随分違うようになる。
「戦争は良くないですよ」と日本人がみんなして、外に向かって声を大にして、発言するぐらいの気概を持ってもらいたい。
戦争の被害者とは戦場で戦って死んでゆく兵士だけではない。後方にいる少年たちの感性もまた被害者である。
昭和二十三年のロンドンでのオリンピックでは日本とドイツは参加を拒否された。ドイツと日本には、まだ我々の心の中に許されない思いがあると、