markdadaoの日記

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ライブでの出来事

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ゴールデンウィークの最後の日曜日、久しぶりの前橋のちぎらホテルでのライブを行なった。

スプリングコンサートと銘打って、春らしい曲を予定していたが、ウクライナでの戦況をメディアで知らされるたびに、何もできないもどかしさを感じていた。

StingがFrajileという曲で人間の脆さを歌っていることは知っていたが、まさに今の自分に響くものがあった。そこでバンドメンバーに訳を説明し、今回のセットリストに加えさせてもらった。

ボーカルはこの曲を知っていたが、ドラムとキーボードは知らなかったようだ。そしてギターのシンプルだが、心を打つ旋律の緊張は村山君に負担をかけさせた。1回のリハーサルでドラムの細かな16ビートと、包み込むようなキーボードのストリングスが曲をブラシアップしてくれた。

ちょうど時を同じくして、ドラムの佐藤君がウクライナの戦禍から避難してきた21歳のレナさんを保護していると聞いた。ロシアと国境を接しているウクライナの東に父母と弟を残し、一人で気丈にも長い距離を移動し、隣国のポーランドへ逃れ、そこで日本人のボランティアと出会い、群馬県の某市が受け入れを表明しているとの事で仮ビザを発給してもらい成田までやってきたそうです。

東京の国立市在住のアンプビルダーの方が成田空港から佐藤君の自宅へ、一時的滞在先(1週間の隔離期間)として送ってくれた。しかし受け入れを表明している市側は、準備不足か遅々として進まない。SNS を通じてボランティアに名乗りを挙げた、個人の二人はすぐ行動に移したが、組織は即戦力がない事を感じた。

母国語のウクライナ語とロシア語しか通じません。性格かPSTDなのか感情が表れず、ご家族も苦心されているようです。まだ2週間ほど友人宅で面倒を見なければならないようです。

ライブでは「暴力では何の解決にもならない。僕たちは音楽を通じて平穏な世界を願う」とMC。Fragile の演奏でギターによる心を揺さぶる間奏が終わり、最後のフレーズでボーカルが堪えていた涙が溢れました。ボーカルは曲が終了してすぐに涙について謝罪してましたが、昔からの辛苦がギターの音色と歌詞で蘇り、涙となったようです。

観客も涙を堪えるのが大変だったと、後日談。このような涙を集めて、戦いをおさめることは出来ないものか。

以下にNHKの取材記事を添付します。

日本語話せず親族もなし ウクライナ避難民の支援は | NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220513/k10013623651000.html