markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

自作ギターアンプ用トランス

友人のA君から1年ぶりに電話があり、自作でギターアンプを作ると言う。そして、電源トランスと出力トランスそしてチョークコイルの依頼があった。
僕の父親は昔、テスコと言うギターアンプエレキギターを作っていた会社のトランスやギターマイクを作っていたことがある。またパープルシャドーズ(グループサウンズ)のアンプなどを作っているVOICEというブティックメーカーのトランスも作っていた。
VOICEさんから良く、海外のトランスが燃えてしまい、同じものを作ってほしいと依頼がある。最初の頃は燃えたトランスをシンナーに浸けて、ワニスで固まった鉄芯(コア)を一枚一枚剥がして再利用した。なぜなら金具の取り付け穴が決められているので、日本にない特殊コアとその締め枠を生かさなければならなかった。最近は燃えたトランスの線径などを参考に設計し直して、日本の標準コアで作ってしまい金具の穴位置は開け直してもらっている。
しかし、カラオケブームでプロのバンドマンの仕事場が減ったせいかアンプの修理が減っているようである。そして当社はあらゆる業界のトランスを受注しているので、好き嫌いの余裕無く時代に流されアンプ用のトランスから遠ざかっていた。出力トランスは病院用のナースコールのインピーダンストランスや田舎の有線放送の拡声器用アウトプットトランス程度であった。
だからA君から依頼があった時はうれしかった。僕もエレキギターエレキベースを弾いていたので、なんとかいい音を出すお手伝いをしたいと思っている。A君のリクエストでオールディーズなトランスを作ることにした。
紙(プレスボード)の巻き芯を作り、整列に巻いたコイルに一層一層絶縁紙(クラフト紙)を入れ、タップを絶縁チューブで引き出しラグ端子にからげ半田付けをする。プレスボードで化粧巻きをした後、コイルにコアが直接当たらないようにチャンネルを4か所取り付け、一枚一枚コア入れをする。そして締め金具に絶縁ワッシャ付きのボルトで固定する。ワニス処理、乾燥してその後コア部分に黒のワニスを刷毛塗りし防錆効果を高めて出来上がり。
写真上はコイル完成、下の写真は自動送りの機械を使わず、40年以上の熟練した巻線技術で巻かれたコイル。(協力:アテネ電機トランス事業 - 変圧器・トランス・フィルムのアテネ電機