markdadaoの日記

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「日本への警告」を読んで

 

 

新型コロナウイルスなどのウイルスは人間の体の中で生きながらえるとして、種族保存本能により人から人へと拡散しその体内の肺機能に害をおよぼす。従ってこのウイルスの行き場を断つ(不活性化させる)ため、人との距離をおこうとする。そして感染防止として密閉空間、密集場所、密接場面を避けるため従来の生活習慣を変えようと緊急事態宣言が発せられた。

人類とウイルスの戦いでは武器はいらない。ウイルスが不活性化するまで濃厚接触を避ければ人類は勝利するのだが。しかしそうは簡単に生活パターンを変えることは難しい。国民のストレス回避と経済停滞の緩和策は各国のリーダーにとって至難の技である。それでも治療薬とワクチンが開発されれば、この新型コロナウイルスもインフルエンザ程度の症状となるだろう。

この騒ぎが終わった後、これを機会に人間社会のシステムが大きく変わるのだろうな。過密から過疎への価値観の変換、テレワークなどのビジネスパターンの変化などデジタル社会のさらなる浸透により新たなる生き方、新たなる経済システムの時代がやってくると信じる。

ジョージ・ソロスとクォンタムファンドで驚異的なリターンを叩き出したジム・ロジャースの著書で「日本への警告」が昨年出版された。ここに変化への対応が示されているので、以下に覚書として記す。( )は私の感想である。

p4 変化はある者の目には社会が開かれて行くプロセスとして映り、別の者にとっては閉ざされて行くプロセスとして映る。変化を受け入れ適応する者は、この世界で成功を収め、幸福に生きることができる。

p38 歴史を見れば、オリンピックが国家にとってお金儲けになった例がない・・・オリンピックのせいで日本の借金はさらに膨らむのだ。

(来年の7月の延長開催が危ぶまれるのなら、中止の英断も。なぜなら想定外の新型コロナウイルスへの多額な国庫資金支出に加え更に資金流出が発生すると考えられる)

p48 移民の受け入れを勧めると、多くの人は「外国人に仕事をうばわれる」というが、実際は移民が雇用を生み出している。アメリカの場合、グーグル、アマゾン、アップル、フェイスブックなどの企業のほとんどは、移民にルーツをもつ人物が創業したものだ。

少子高齢化鎖国政策では日本の未来が不安である。「人口で語る世界史」ポール・モランド著を参照してくださ)

p55 日本語は今後グローバルに使われる言語ではないのだから、英語による授業を提供するのは必須条件だ。

p86 日本の農業を大きな成長産業にするには、外国人を受け入れることが必須条件ということだ。

日本政府は、若者や外国人を農業の担い手として受け入れる環境を整えるべきだ。並行して農家を保護する政策は廃止すべきと考える。

世界の農業と伍していくには、低賃金労働を取り入れて価格を下げることが絶対条件だからだ。

ICT(情報通信技術)システムを利用した栽培技術の向上や大規模農法の開発といったイノベーションが求められる。

p93 日本の官僚組織に任せると、やがて利権化し、お金を使う事が目的化する。支持率欲しさにいろいろな施策をしようとする年老いた政治家や、予算と天下り先欲しさに余計な仕事をする官僚は、今後はむしろ何もしないほうがいい。意欲がある若い民間人に任せたほうが、余程素晴らしい成果を挙げるだろう。日本政府は彼らの力を遺憾無く発揮できるような環境を構築すべきだ。

p113 「先賞試、後管制」(まず試しにやってみよう、問題があれば後で政府が規制に乗り出す)今の中国共産党の姿勢。

p123 中国からの注文を北朝鮮の工場が受け、商品を中国に送ると、その商品がメイド・イン・チャイナとして韓国に売られる。ソ連が崩壊した時、頭の良い大勢の人たちがチャンスを掴み取り、ひと財産を築いた。北朝鮮でも近い将来同じ事が起きるだろう。

p125 少子化男児優先してきた韓国は、南北統一により北朝鮮から女性が流入すると劇的な解決を見せるだろう。

p135 アメリカがロシアに経済制裁をしている間に、ロシアの農家はグローバルな競争にさらされる事なく、最新の機械を導入し規模の経済を獲得している。

p137 コロンビアの大都市であるメデジンは、コロンビアで医療用大麻マリファナ)が合法化されたため、大麻ビジネスは大きなビジネスに発展する事が予想される。

p155 成功を収めた投資家たちは大半の時間を何もせずに過ごしている。いったん投資をしたら、10年間は何もしない。ただ世の中の変化を見守るだけ。そして感情に囚われず、適切なタイミングを見極めて腰を上げる。常に謙虚でいることは、成功者が共通して備える資質。

p189 政府による決定。政策は正しいものであれ、国民の大半にとって無益なものであれ、変化の触媒となり得る。(好機は危機に潜む。今です!)

p191 木が天まで伸びることはない。天井知らずに上がるものなど、この世に存在しない。(逆もあり)

p196 大衆のヒステリーに呑まれずに冷静に判断をするのは、そう簡単なことではない。

p202 日本は自殺率は史上最高だし、出生率は史上最低。その人口減少の不足分を移民で受け入れようともしてない。また、巨額の公的負債と、融通の利かない規制が問題となっている。