markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

想定外の日常変化は突然やってくる

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長年生きていると、想定外の時代の変化に何度となく振り回されてきた。

戦後生まれのため終戦直後の混乱の経験はないが、戦争から帰還した傷痍軍人は街角でよく見かけた。時代は活気に溢れ、物は作っても作っても納期遅延を起こしていた。そしてバイタリティーある経営者は大きな投資をして工場や設備を増設した。しかし経験の浅い自分は、そこまでの投資をする決断はできなかった。

戦後から1ドルはずっと360円であり、500ドルの外貨持ち出し制限の中アメリカへ旅行に行った。その後変動相場制となり円高基調で輸出が厳しくなり、信じられないほどの値下げを考えなければならない事態となった。そして勇気ある経営者や、または得意先について海外へ進出する中小企業も出てきた。

ガソリンなどの石油製品は水や電気と同じように低価格でいつも手に入ると思っていた。それがトイレットペーパーが無くなるほどのオイルショックに、人々はガソリンの入手に奔走した。銅の相場も数倍に跳ね上がり、しばらくは現物も入手できないほどであった。赤字にならないため見積もりをし直すのだが、客先は急なコストアップを市場に転嫁できず注文が減少した。

相場に手を出している人達は、特殊な人種又はバクチ打ちと白い目でみられていたが、マスコミや世間は株をやらないのはバカだという風潮となり、多くの人達は天井知らずの株に一喜一憂した。更に金融機関も後押しをして土地やゴルフ場の会員権を買い求めた。たまたま一緒にゴルフを始めた友人が急逝したので、ゴルフをやる気になれず会員権を手放した。また借金して手に入れた工場用地も、客先の発注計画がもたついており、たまたまその土地を希望していた知人に転売したためバブルが弾けたが損害を被る事がなかった。銀行は潰れないものだと思っていた神話もこの時崩れた。

そして阪神淡路大震災東日本大震災による自然災害と放射能汚染の恐怖。また、今回の新型コロナウイルス感染防止のため緊急事態宣言に伴う経済の停滞。

過去における想定外の大きな災があると、時の政府や官僚そして地域のリーダーは様々な対策を講じる。しかし経験的には自然災害の場合、最初の3日間を自力で生き延びるか、経済災害の場合は最初の3ヶ月を自力で生き延びる事ができるかが生死の分かれ目と思う。何故ならば、私たち多数の一般人への救いはそれなりに時間がかかるということ。運の良い人はすぐに助けてもらえるが、それは宝くじの確率。

もちろん平時からの備蓄や準備がある者は生き残れるのだが、私などの凡人にはそうはいかないのが現実である。それでも50年以上経営を続けてこられたのは何が原因だろう?

最初に思いつくことは「健康」で「楽天気質」、ついでに「諦めない駄々っ子気質」ではなかろうか?受注が激減したり、不渡りにあったり、火災にあっても神様か誰かが潰さないように手を差し伸べてくれた。こっちはひたすら「社会に役立つこと」を続けているだけ。人間社会に対し、役に立っていれば「社会」は生かそうとするようだ。もっとも全てではないが。

この世の成功者と言われる人達は、試練を乗り越え(神様のテストに合格し)、夢を諦めない人達だと思うが、エネルギーがあり鼻っ柱の強い人達は危なっかしい一日天下が多い。そういうことで、今回の新型コロナウイルスによる経済の混乱を乗り越え、新しい時代に適合した人達は大成功をおさめるだろう。