markdadaoの日記

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日本の胆力

尖閣諸島周辺での船舶衝突事件で、日本の国内法に照らし中国人船長を拘置し、中国側は強硬な姿勢で釈放を求めていた。そして今日、日中関係の悪化を恐れ罰金も取らず釈放に踏み切ると報道があった。中国側は新華社電で釈放を報道し、チャーター機で船長を出迎えに来る。
日中間の首脳はこの問題を大きくしたくないとの思惑の中、中国国内の反発に気を配った演出をしたとの意見もある。他国では国境水域での船舶の拘置は珍しいことではない。北海道とロシアの海域、渤海湾における韓国と中国の海域など違法操業事件がある。しかし中国は過去に別な事件として、結果として中国の一工員の犯罪ではあったが、餃子中毒事件の過程で報復措置として、対中輸出に対し揺さぶりをかけられた記憶がある。

2010年9月20日の「人民網日本語版」によると、

日本側による中国漁船船長へのいわゆる司法手続きは、いかなるものであれ不法かつ無効であると、中国側は繰り返し言明している。われわれは日本側に、船長の即時無条件解放を要求する。日本側が独断専行し、過ちの上に過ちを重ねるなら、中国側は強烈な報復措置を講じる。その全ての結果は日本側が負うことになる。

隣家との境界トラブルで、隣の親父さんが大声でどなりこんでくる。このような親父さんは問題を恫喝をもって解決するタイプの人間である。お互い賢く度量の持ち主であれば、このような表現をせず問題の解決を計るテーブルがあるのだが。
ヨーロッパがアフリカを、アメリカが南米を、日本はアジアに畏怖の念がもたれる外交戦略を築きあげなければ、戦後が終わらず将来の国際平和は遠のく。

恫喝とは「俺は恐いぞと言って相手を脅す」こと。畏怖とは「相手が勝手に恐れ敬う」こと。だから自分の弱さを隠すために大声を出す国家に対し、自国を守る屈強な軍備力や無視できない経済力を持ちながら、世界平和をリードする政治力が畏怖の念を持たれ、恫喝される隙を見せない国家戦略が必要。
きれい事を並べ立てた正義は、胆力なくして国際社会では通用しない。