markdadaoの日記

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マキアヴェッリ語録とロータリー文化

習慣的だが寝る時読む本と、移動時読む本を分けて、同時進行で読んでいる。移動中の本は少しの空いた時間だけ読むので短編的なものが多い。
今は、塩野七生著のマキアヴェッリ語録を読んでいる。国家篇でロータリーの文化と共通項が3項あり興味がある。


「古代のローマ人は、名誉を尊ぶ気持ちが非常に強い民族だったが、それでもなお、かっての部下に命令される立場になっても、不名誉なこととは少しも考えなかった。」タイのビチャイラタクル氏が国際ロータリーの会長を辞して、ローカルクラブへ戻りSAAをやった話は有名である。ロータリーではたとえば、会長の役職を終えれば一介の会員に戻る。なぜなら組織にとって上位から下位に下がっても不満なく任務を全うする人物が信頼できる人であり、ただちに戦力になりえる、と著者は説明している。これがロータリーの組織力であろう。

「国家が秩序を保ち、国民一人一人が自由を享受するには、清貧が最も有効だ。」清貧を尊ぶ気持ちが、国家や都市やすべての人間共同体に栄誉を与えたのに反して、富追及の暴走は、それらの衰退に役立っただけなのであった、と結んである。この清貧とはロータリーの4つのテストや職業奉仕の倫理観につながると考える。富を掻き集めるのではなく、社会に貢献し結果として社会が自社、自分を生かすために富が集まるということか。富追及の暴走思考がロータリーの未来を危うくする。

「古代の共和制下のローマ人は、危機管理の対策として、次の制度を整備していた。臨時独裁執政官の制度がそれである。」この任期は6カ月であり、後の僭主出現の原因は任期の延長であった。独裁執政官には権力の集中はあったが、統治形態そのものを壊すようなことは、許されてなかった。共和制ローマの場合は多くの不測事態への対応の手段であったので、ロータリーの1年任期と必ずしも同じ内容ではないが、権力集中の恒久化を避けているので、組織が硬直化しない。