markdadaoの日記

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介護実習生送り出し機関への訪問

 

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朝食を済ませ、約束の9時ちょうどにロビーへ降りてくると、すでに出迎えの車がきていた。ホテルからその機関のあるビルまで、大きな渋滞もなく小雨の降る中約20分で到着。途中、助手席から事務所へ私を載せたことを電話報告していた。

3階に通され、実質的なオーナー(この国では外国人は社長になれないようだ)と面会。眼光が鋭いFさんではあったが、しばらく会話を進める中で、私と同世代ということがわかり、急に親しさがわく。いつも思うのだが、海外へ出て立派に商売をしている日本人を見ると尊敬をしてしまう。金を使うことはできるが、外国の金を集めることは難儀である。

私はいつも、本業でも新規の取引先と仕事をする際、必ずトップの考え方を確認する。資本金や企業の外観や社員の質を見ても、本当のところは経営者の考えに拠るところが大きい。今回の海外実習生の契約において、すでに多量の書類に署名はしており、ここは是非トップと会ってその背景を確認しておきたかった。組合の仲間への信頼は揺るがないものだが、自分の耳目で確認をすることは自己責任と思っている。

ここのトップはこの事業をする中で創業5〜6年間大赤字で撤退を考えた矢先に、大口の契約が決まり急成長をしたと率直に話す。とにかく行動力と直感力が鋭い人と見極めた。政治家や官僚へ数十回と足を運び、単独で省令の改定を実現させ、自社事業はもちろん業界にとっても大いに貢献をしている。

この方の戦略は、外国人実習生の源は日本語研修にありと考え、日本語学校を設立。そして外国人に選ばれる日本になるため「仕組みづくり」が政府の大きな課題としてロビー活動をされている。

私どもの組合は外国人研修生、実習生の前に日系人の職業斡旋も含め30年近く海外と付き合いがあり、日本の入国管理局等を代表とする外国人への姿勢に違和感を持っていた。当時日本は世界でナンバー2の経済大国で、特に発展途上国の外国人に対し「入国させてやる」という態度が垣間見られた。しかし現実は彼らも外国を選んでおり、所得待遇の良い国であるアメリカやカナダなどを優先し、そのあとで日本があり、今後介護士の世界的な需給バランス上、まともな人材を日本は集められるのか懸念する。

以下にF氏の草稿を出典とし簡単にまとめてみました。

「そういう状況の中、介護実習生は日本語検定4級(中学・高校生レベル)をボーダーラインとし、更に9ヶ月後3級(高校・大学・社会人レベル)をパスしなければ1年で帰国というハードルを掲げていました。実際は5〜10%の合格率と言われ、体のいい追い出し省令にしか見えません。この条件で何人の外国人介護実習生が日本を選ぶのだろうか?

一方厚労省は2025年には38万人の介護士不足が生じると発表しています。現在77職種にて技能実習生が26万人おり、この実習生が全員介護士としてもその1.5倍が必要とのこと。対策として国は1〜3万円給与を増額して求人をしても若い日本人はどの程度就労するか?

この省令を遵守していれば、我々団塊の世代の老人の多くは、孤独死を迎えることになるだろう?」

 

 

私見ですが、介護士は人間(老人)を対象に仕事をするわけですから、日本語の会話力は大事と思われるのは当然でしょう。一方、工場や農業では対象が製品であったり作物であるから日常的な会話で十分とも考えられます。しかし、語学は使って磨かれるものです。むしろ介護士の実習生の方が語学力は高まる傾向にあると考えられます。ただしその語学力の判定基準を、どこかのお役人がデスクワークで問題集を作っていればこの問題はいつまでも解決できませんね。

私は孤独死をするよりは、顔の色が多少違っても、言葉がたどたどしくても、スマイルがあれば救われます。研修中の生徒さんへ挨拶を促され「Keep on Smileと筋肉をつけてください」とお願いをした。