先日の新聞に「介護人材自前で育てる」という記事を目にした。
昨年度からEPAにより海外出身者の介護士の受験が始まったが、合格率は日本語のハンディーを理由に低調である。一方、今年4月から介護報酬改定で職員への交付金が打ち切られ、介護士の人材不足が悪化する傾向にある。
しかし、日本の外国人労働者の受け入れはかなり困難で、唯一実習生制度があるがこれも職種と企業単位における受け入れ枠が限定され、医療従事者や関連サービス業は対象外である。そこで外国人看護師、介護士を実習制度の範囲(3年間の実習期間)を設け、インドネシアとフィリピンだけに門戸を開き始めた。従って実習制度と同じフレームワークの中で管理監督する都合、3年以上の定住に対し、延長ビザを発行するための合格率を抑えているように勘ぐってしまう。
しかしこのままだと、我々看護を必要とする予備軍もしかり、もっと現実的に困るのは介護ビジネスを謳歌していたグループホーム、老人ホーム、デイサービスを行っている一連の事業所は、介護士不足または人件費の高騰に経営が危ぶまれるだろう。そこでなりふり構わず、フィリピンから日系フィリピン人に介護と日本語教育を与え、その補てんに充てようとしている。大義として介護士試験の受験を目指すだろうが、日系人はもともと日本で就労、通学、観光など自由にできる定住ビザを発行するので合格しなくても日本で介護サポートは続けられる。ただ日系人も人数の限度があって、実際に現場で働けるのは日系3世が対象となり、日系4世以降は定住ビザ発給の対象外となる。
団塊の世代があと5年もすると、被介護対象者として増加するだろう。そして多数派意見として政治家を動かし、官僚は止む負えず現在の外国人実習生の職種の拡大を図り、介護サービス従事者を3年から5年の範囲で受け入れることになるだろう。もちろん現在のインドネシア・フィリピンから、タイ・中国等と送り出し国も拡大さざるおえなくなるだろう。