消費税が5%から8%に上がる際、延期を予想した数少ない経済アナリストに森永卓郎氏がいた。当時政府は予定通り実行する構えを見せており、私たち一般国民もやむ得ないとの認識があった。ラジヲから森永氏の考えを聞いてはいたが、理由は思い出せない。しかし、あの時点で大方の意見は「税率をあげないと日本はやっていけない」、であった。
また、最近の森永氏の意見は、現在のトランプ現象による円安は1月までに急激に円高に反転するということである。確かに今日現在の為替はわずかに株安円高に向かっている。そして、逆に消費税率を下げないと来年の国内景気が持たないとまで森永氏は言う。
しかし、政府案を擁護するオピニオンリーダーたちは、未来への借金である国債の発行比率が年間予算の約3割を問題とし、ヨーロッパ諸国のように20%程度の間接税である消費税率によって改善することを唱えている。そして年間収支バランスを崩す主な原因は福祉予算にあるとしている。
この年金制度は日本では戦時中軍人の恩給制度から始まったようだ。戦後富士山型人口ピラミッドを背景に、多くの若者が年寄りを手厚くカバーしていた。そして人口ピラミッドがツリガネ型からツボ型に移行し、与党の安定期(中曽根、小泉政権)時代に調整を行い、現在も安定与党である安倍政権中に年金法案が出された。
当時の社会保険庁は、富士山型人口ピラミッドによる豊富な資金で不要なハコモノの投資や、庁内が汚職や着服問題で倫理意識が失われ、本来手をつけなければならない未来の人口分布対策をおろそかにしたのではないか?さらには素人集団による資金運用により破綻したと思われる。
ポイントは国債に頼って問題を先送りするか、高い消費税率により税収を増やし収支バランスをとるかが官僚と政治家の考えドコロ。しかし、どちらの資金も国民の税負担による。したがって、与党の安定期中でなければ年金法案や、消費税率アップもしづらいだろう。
これから我々団塊世代が減少するまでの15年間は、消費税率と年金受給額のせめぎ合いが続くと思われる。そして馬鹿な政治家や官僚が台頭し、日本経済を混乱に陥れれば、日本製トランプやドテルテが生まれ若者によるオヤジ狩りが起こり得ないとも限らない。
しかし、仕事もせず年金生活者だと言って、若者におんぶに抱っこの残りの人生は送りたくない。死ぬ直前まで元気に働き、しっかり年金を支払えるジジイでいたい。