土曜日の朝、玄関の桟に雀が止まっていた。珍しいことで、朝から縁起が良いと思ったが、悲観的な人は朝から借金トリが来たと思うかも。
太陽の暖かさに、東向きの玄関を止まり木にしている雀を「鳥逃がさず」写真を撮った事は、「鳥も直さず」運が良かった。
ところで「朝の雀」は「麻の雀」となるとマージャンになる。これは中国語の発音からの当て字だそうだが、元来「馬忌」のカード遊びから発展したようだ。
40年程前、母方の伯父伯母が高崎に隠居し、時間を持て余していたので、よくマージャンをしに行った。夜中の12時を回ったところでお開きとなる。点数をつけていたが、月次で精算をしていたか、今は定かではない。
この伯父は立志伝中の人で、学歴もなく戦後の闇市で財を築き、しまいには地方都市の商工会議所会頭も務めた。公職のスピーチは原稿を用意し、博学の伯母の前で何度も練習をしていた。また、エナメルの靴を履き、ダブルにベストが似合う、入れ歯をカタカタ鳴らす癖がある伯父さん。
隠居しても、相変わらず早起きで、散歩をしながらダンボールを拾ってきては、屑屋に売り、そのうちその屑屋の元締めと仲良くなる。
無学であっても、商売の勘は素晴らしく、無用なプライドもなく、商売人として尊敬出来る伯父であった。