公益財団法人ロータリー米山記念奨学会の奨学生で、中国人留学生が多くエントリーするとのことで最近は物議をかもしている。以前は台湾、次に韓国人留学生が多い時代があったのではないか? 例えば1967年奨学生総数は59名で台湾留学生は48名と81%であった。しかし昨今は50%ルールなどと言って2012年は総数825名において中国人留学生を419名と51%にとどめている。そして以前は日本とアジア諸国との経済格差により、留学生を苦学生とするイメージがあったが、昨今は経済格差が縮小し自家用車を持つ者もいて、ロータリアンはこの状況がなかなかなじめない。大学を卒業しても日本で就職に就き帰国をせず、日本との架け橋になっていないとの声もある。
米山記念奨学会は将来母国と日本との懸け橋となって、国際社会で活躍する優秀な留学生を奨学することを目的としている。成績が良い中国人留学生が多くエントリーする事は、時代の流れであろう。
従って逆転の発想で、優秀な中国人留学生が多くても、にわかルールを適用せず奨学生として採用する。そしてロータリーのコンセプトである世界平和の理解を深めるプログラムを確実に実践する。
日本人の実感として中国人のmeイズムに抵抗感があり、一部では友好的ではないこともある。しかし現在の日中間の貿易取引は、日本が60%台として経済的には密接な関係にある。中国の外相(外交部長)に元在日本中華人民共和国大使の王毅を選抜した事も考慮すると、日中間の争いを中国首脳部は望んでいるとは思えない。問題は一般中国国民の対日感情にある。日本在住の中国人留学生やその卒業生から、日本との友好関係を発信したり話をすることで、知識層からのイメージ作りは効果がある。今では中国国内でも記名式ツイッター『新浪微博(Sina Weibo)』が盛んであり、日本でもアカウントがとれる事と、ユーザーが1億5千万人を超えている中で情報の伝達は容易である。ロータリーの国際奉仕は、日本特有の米山記念奨学会の活動により、国際紛争を避ける民間外交の一助になる。
私は外国へ行ってその国の言葉が多少しゃべれるようになり友人でも出来ると、その国のファンになってしまう。日本が嫌でしょうがない留学生はとっくに帰国する。長くいる人たちは決して日本を嫌いではない。
一国の留学生が多くなるという事は、その国が発展期を迎え日本に関心が高まっており、日本との影響が深まる兆しである。5年、10年先は中国人ではなく、若年層が多いインドネシア、フィリピン、ベトナム人留学生が増える可能性もある。その時も50%ルールを適用するのであろうか?