markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

外国人の受診から入院まで

うちの日系フィリピン人の社員の奥さんが高熱となる。私の行きつけの町のクリニックへ朝一番で同行し、日本語が書けない彼らのため問診票を埋め診察をしてもらった。高熱が続いていたためインフルエンザの懸念があった。チェックの結果そうではない事がわかり一安心。解熱剤を投与し、昼には熱も下がり始めた。
しかし、午後から40℃を超え夫婦で再びクリニックへ行かせ、解熱のための注射を依頼する。先生から私に話があるとの事で出向く。「原因が特定できない中で、安易に解熱のための注射を打つ事は出来ない。朝、血液と尿を取り検査をした結果、ある数値が高いので肝臓の下に異常があると思われる。紹介状を書くので、至急総合病院のERへ行くように」との事であった。
5時過ぎに夫婦を連れ、ERの受付に紹介状を渡す。ここでは詳細な問診票があり、体温を計測しながら本人に確認し再度問診票を記載する。次に看護婦さんが血圧と脈拍を計測、本人へ先ほどの問診内容と同じ質問を始める。本人が高熱と痛みで苦しんでおり、先ほど私が代理で問診票を記載した内容を参考に出来ないか尋ねてみた。手元の資料はどうも私が書いた内容と違うので確認してみると、前の患者の資料であった。間違いに気づきあわてて取りに行った。「紹介状のデーターと私の書いた問診票を参考にされたらどうですか?」と問うと事務所に引き返す。
約1時間半後にようやく内科の先生が診察をする。また通訳するが専門用語が多く困った。先生は若く多少英語が話せるので助かった。どうも盲腸の疑いがあるとのこと。静脈ではなく動脈から血を採りたいので、股から採らなければならない事を説明する。次に原因を特定するために造影剤を投与し、CTを撮りたいとの事。しかし造影剤使用は承諾書が必要のため、再度通訳をし代理で書面に記載する。CTスキャンが終わり、その解析が終わるまでベッドでリンゲル。
今晩は婦人科の先生もいるので、子宮周辺の症状も確認したいとのこと。「症状から想定できる問題を、消去法で解決してゆくのか?」とたずねると先生は肯定する。リンゲルをしながら車いすで外来病棟の婦人科へ向かう。診察前にまた問診票の記載依頼。内容が婦人科のため、とても聞きにくい内容である。外で待っていると先生が、「子宮周辺の問題はありませんでした」と安堵した顔。
初見していただいた内科の先生が手が離せず、他の先生が代わりに看る事になる。再度経過説明をし約1時間後CTスキャンの解析が終了。腎臓にばい菌が入っているとの説明。従って、今晩から入院をして最低でも1週間は抗生物質による処置が必要であることを告げる。これを本人に通訳をして入院の同意を取り付ける。
また1時間程経って、病棟の空きベッドを見つけてもらう。今度はX線を撮るとこと。静かな病棟を抜け、ようやく病室へ向かう。
今度はナースステーションで入院手続きと、本日5回目の問診票の記載を依頼される。すでに夜中の11時過ぎである。部屋に入る前に体重と身長を計測。最初の資料にこれらの数値を記載したが、参考にはしないようだ。本人たちもお腹が空くし、くたくたであった。
ITが進化している時代なのに、問診票を共有化はできないのか聞いてみたが、そのナースは暖簾に腕押しであった。病気が最初から特定されていれば簡単であっただろうが、このようなケースの場合、外国人が日本で診察や入院をするのは大変だと思う。
感謝すべきは和田クリニックの和田先生の適切な判断。明日結果報告とお礼をしよう。