炭素繊維による水質改善実験として4年間丹生湖で事業を行ってきました。水中に炭素繊維を沈め、その炭素繊維が人口藻の役割を果たし、微生物が付着しプランクトンが発生し、それを餌として魚が集まり、卵を炭素繊維に産み付け、水中の環境を改善してゆくというストーリーです。
しかし、すべて水中での活動のため我々はそれを見ることができません。そこで、今回水中カメラを投入し、テレビのモニターを通じ観察できるようにしました。
水面にでている支柱やロープを見て、「いったい何をやっているのだろう」との疑問に、実験地付近に看板を立て、説明を記載することになりました。しかしキーワードとなる「炭素繊維」とは何だろう?
我がクラブのメンバーが、「看板に炭素繊維の写真か、現物を掲示することで理解が深まるのでは」とのアドバイスをいただきました。
私は、何年も炭素繊維を取り扱ってきましたので、初めての人たちの気持ちを忘れていました。そこで、今日西陣織した炭素繊維に棒を通し、説明書を添付してテレビのモニターの横へ取りつけてきました。来訪者が手で触って炭素繊維を知ってもらうことになります。
何か事業を行う時、対象者の気持ちを推測して準備しないと、まさにファクトリーアウト(作り手の論理)だけで良い結果を生むことができないのです。マーケットインを再度認識した訳です。日常の仕事もこれが鉄則でした。ロータリーの友は暗に商売へのアドバイスをしてくれる。