markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

無駄の効用

今日は、お客様から翻弄される一日であった。
朝一番に、新規案件の最終見積もりに対し断りの電話を受けた。2年間追っかけてきた案件だけに、諦めきれない。来週アポイントを取り、再度そのお客様の事務所へ出向くのだが、決意を覆すのは至難の業である。決定的なのはメイドインチャイナは嫌だとのこと。

午後、別なお客様に呼ばれ訪問をした。いつものように担当者と技術打ち合わせを始めて5分ほど経ったとき、急にそこの会社の社長が同席された。5年以上のお付き合いがあるのだが、社長と名刺交換をするのは初めてであった。
そこの会社の製品を中国で製造販売させてくれと、中国企業からのアプローチを受けているとのこと。しかし社長は疑心暗議となっており、もし人任せで製造し不良が発生すれば、今までの信用が失墜すると考えているようである。そして中国の日本に対する処々の失礼な態度に憤慨されておられた。
話が変わり、「今試作をしている製品の数量が増えた時、量産時はどこで対応するのか」質問を受けた。私は「申し訳ないが、長年信頼してお付き合いをしている、中国のパートナー企業へ出す」と伝えた。「中国人全てが悪いわけではなく、人により信頼できる人がいる」とも話をした。そして、20数年前訪中してから、国際貿易促進委員会の顧問の話をしていたら、私を顧問に推薦した会長の、直前会長とその社長が偶然御家族付き合いをしている事を知った。その方は人格者で感銘を受けている様子であった。私も当時何回かお会いしたことがあり、温厚の方であった印象が残っている。
そこで、共通の話題に盛り上がり、国際経済から教育論まで延々と話し込んでしまった。私は担当の方とまだ5分しか打ち合わせが済んでいないのでハラハラしていたが、波長が合うとのことで3時間ほど時間が経ってしまった。
そして帰り際、中国で生産販売する商品を見せていただき、中国は膨大なマーケットがあるので、信頼ができる工場ならば出したいとの旨。「中国語が出来る私の息子を次回連れてきますので、御社の中国生産販売する詳細を再度聞かせて下さい」として、その会社を後にした。
まさか中国へ生産販売シフト事業の話が生まれるとは想像がつかなかった。興味本位であちらこちらの国に出向いた事が、仕事につながるとはラッキーであった。