昨晩6時ごろ、男性の声で2回、前橋のSデパートより留守番電話が入っていた。電話に気がついた時はすでに遅く、また何のための電話か説明がなく、ただその男性の声がとても深刻そうであった。何かこちらに落ち度があったのか、問題を引き起こしたのか、心配しながら今日を待った。
その声の主は、売り場の総括責任者であった。
「昨日奥様が購入され、お持ち帰られたマニュキアは試供品であった。新品と交換させていただきたくお届けにまいります」という内容であった。わざわざ来られる事は断わり、送付することで了承を得た。
家人としては「箱に入れてもらえなかったので、ちょっとおかしいとは思った」とのことであった。
売り場のスタッフが、試供品を売ってしまった事に気付き、上司に報告をしたのだろう。買った方にも問題があるのだが、その上司は部下のミスに責任を感じ、深刻な留守番電話を残したと言う事だ。単なる笑い話で終わったのだが。
2回も留守番電話を残すならば、どういう要件なのかを簡単に説明を残すべきではなかったのだろうか。多分、このような珍事は、その上司にとっては想定外であったのであろう。だから冷静さを失い、直接お客に謝罪する事だけが意識にあり、その結果自分達の行為が、どのように相手に受け取られるか考えが及ばなかったのだろう。週刊誌を購入する時でさえ、一番上の雑誌を避け2冊目の真新しい雑誌を手に取るのが、一般の買い物客の心理なのだから。
弊社でも大なり小なりこのような問題を起こす事もある。しかし大事なのはこちらの謝罪行為が、お客様にとってどのように受け止められるかを想定し、対応する事だろう。
事実だけを報告するだけでは足りない。それがどのような問題を引き起こすのか、お客様へ理解しやすい言葉を選び、説明をすることが本当の誠意であろう。