markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

竹中恭二氏の「サービスロボット」への一考


富士重工業の前社長で現在顧問をされている竹中氏の講演を拝聴した。
1946年11月大阪生まれ。1969年3月大阪市立大学工学部卒業。同年4月富士重工業入社。2001年6月代表取締役社長就任。2006年6月GMとの提携を解消し、新たにトヨタと提携し道筋を作り、社長を退任。その後、ロボットビジネス推進協議会の会長を歴任。

今年の年間科学技術のTopicsとして宇宙探索機の「はやぶさ」とクロスカップリングノーベル化学賞受賞者鈴木章氏、根岸英一氏がある。「はやぶさ」は5年で帰還するところ、宇宙をさまよいながらも7年目で地球からの技術者の努力で帰ってきた。その技術は世界に誇れるものである。目標達成のためには絶対あきらめないLeadershipがあった。
チリ銅山落盤事故の構内でのリーダーシップを発揮したルイスさんは「ドラッカーのマネージメント」の愛読者であったそうだ。そこから危機管理マネージメントを培ったのかもしれない。
小惑星の「イトカワ」へ「はやぶさ」はタッチダウンしてきたが、その惑星名の糸川博士は以前富士重工の前身である中島飛行場へ入社し、一式戦闘機や隼を作られた。
富士重工業が初めてアメリカのインディアナ州へ工場を作った際、根岸英一氏のパデュー大学(Purdue University)がそばにあり、根岸氏の奥様には社員が随分お世話になった。知人が受賞したためノーベル賞を身近に感じる。


1970年代早稲田大学の研究室から2足歩行のロボットが研究開発された。昨今のそのロボットは人間に擬似化することが目的のように思われるが、そのロボットに何をさせるかが問題である。日本人はロボットを善良なものと考えられているが、西洋では悪いことをするもの、または悪いことをするために利用されると考えられていたので、ヒューマノイドのロボットの開発が遅れている。今後ロボットへ何をさせるかというアプリを考えなければならない。
筑波大学ではHAL(Hybrid Assistive Limb)という筋肉の生体電位信号を検知する、センサーコントロールによるロボットスーツが開発されている。
富士重工業ではEye Sightという目を車に付けた。当初の10万台の販売予想を上回り、60万台の受注で納期遅れを出している。この装置は車が衝突しない様に3Dの視覚で検知した危険情報をコントロールして制動を働かせる。しかし人間がブレーキをかける前に機械が働かないようにプログラムされている。それは人間の行動学を研究し、人間が機械に頼らないようにしている。
輸送トラックを車間距離1mで数台をキャラバン走行させることで、風の抵抗を防ぎエネルギーの省力化にも役に立てせることが出来る。

続く