markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

外交戦略

歩道のない道でスピードを出した車が来ると怖い。以前は散歩することもなかったので、歩行者の気持ちも分からず車を運転していた。立場が違うと視点が違う。従ってそれぞれがそれぞれの立場で正義を振りかざす。

顕著な例が外交関係で、国の利益を背景に相手国にとって黒を白と堂々と言ってくる。
田中角栄が国境問題を一般住宅の境界と同質だと言ったことを思い出す。隣の垣根が少しでも出ていれば文句が出る。ましてや現代はエネルギー戦争で石油やガス田、そしてレアーメタルなどの鉱物資源が埋設する国境は紛争の元だ。

国際間での紛争に正義が通ることは難しい。最終的にはパワーバランスで結果が決まる。軍事力を背景に相手を威嚇して黙らせる訳である。ましてやアメリカやイギリスなどの文明の発達した先進国からでさえ、そのようなふるまいにためらいはない。理屈は目には目をである。

外交における政治力とは何か? 例えば北朝鮮制裁として経済封鎖を日本が唱えても、中国が背後から物資を供与するし、EUは平壌に商工会議所を設置する。中国はアメリカの後ろ盾がある韓国と地理的に直接対峙したくないので干渉地帯を維持する。EUは「窮鼠猫を咬む」ように孤立させてはいけないと言いながら、地勢的に影響の少ない北朝鮮のビジネスチャンスを探っているのだろう。
従って日本の外交は同時に、中国やEUに影響力を行使する戦略を確立することで、初めて北朝鮮に対し外交カードの切り札をもつこととなるだろう。

長期的、平和的対策としては日本へ優秀な留学生や研修生を迎入れ、日本びいきな外国人を多く養成すること。そのためには日本の魅力である観光資源、高品質なモノづくり、清潔で安全な暮らし等を再構築し、一定レベル以上の日本語力と日本の文化を理解した外国人へビザを発給して、我々と共生する仕組みを作ることであろう。