markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

オーディオ用電源トランスの修理 LEAK TL-12-T3


約50年前のイギリスのLEAK TL/12/T3の電源トランスの修理を依頼された。2日がかりで解体し銅線以外のパーツをクリーニングして再利用する。なぜならば、市販のコア(鉄芯)と同じモノが無く、またその形状も一般的にはEとIで、このLEAKのものはTとCの組み合わせであった。また、それに使用するベーク材のボビンと締め付け金具を同一サイズにするため活用しなければならなかった。巻き線仕様も全く同じものにするため、トータル約4,000巻きの銅線を根気よくほどいて調査した。
入力は200V-220V-240V、入出力間に静電シールドを入れ、出力はB電圧がセンタータップで440Vづつであり200mAの負荷と想定した。パイロット用はセンタータップで3.2Vづつの6A負荷、そしてヒーター電圧は5V,3.5Aの3回路であった。ワニスの汚れと錆を取り除いたコアを入れ、最後に防錆用の黒ワニスを塗布して完了とした。そしてその黒ワニスをコイル面にも塗布し、年代の雰囲気を残した。(写真参照)
トランスの寿命は絶縁物が炭素化するまでであり、今回のこのトランスは既に寿命に達していた。巻き線間などの絶縁材を新たにしたため、また長く使用する事が出来る。