友人のギタリストM君のアンプに私たちの出力トランスを載せ替えた。出音が良くなったが、更にプロに確認してもらう。アンプに真空管の球が入っている為、運送便では破損が心配で手渡しすることになった。彼もGWは休みのためお互い渋谷へ出向く。
学生時代に戻ったように楽器店を覗く。チェックしたいギターがあるとのことで試奏する。既にヘビーメタル系のお兄さんが爆音で試奏しているが、音楽とは言い難し。店員が様子を見にゆきボリュームを下げるのだが、店員が離れると元に戻る。いくらヘビメタでもバンドメンバーならばバランスを意識しなければならない。彼は周囲に気を配ればいのだろう。これがアマチュアの限界かな。
M君が試奏している間に店員さんへ最近のアンプの売れ筋を聞いたり、アンプヘッドに入っているトランスを覗いたりしていた。各社ともトランスの仕上がりは綺麗なのだが、出力トランスのコア挿入方法など電源トランスと変わりない。電源トランスは電圧の可変と絶縁が主目的であり、ノイズの発生に注意する。しかし出力トランスはギターから入ってきた音声入力を極力減衰させず、低域から広域までの音を忠実にスピーカーへ伝える役割がある。
うちのコンセプトは「トランスも楽器の一部である」として他社にないノウハウを内蔵し製造している。そして使用していただいているギタリストやアンプビルダーから評価を受けているのだが、知名度がないため需要が未だ少ない。プロのユーザーの名前を出すことは、断わりを受けているため歯がゆい思いである。
