森信三著による修身教授録一日一言より忘備録
1月17日 敬う心を起こさなければ、いかに優れた人に接しても、またいかに立派な教えを聞いたとしても、心に留まるということはない
1月21日 「世のため人のために」という所がなくては、真の意味で志とは言い難い
2月3日 偉人の書物を繰り返して読むということは、ちょうど井戸水を、繰り返し繰り返し、汲みあげるにも似ている
2月23日 現在自分の当面している仕事をまず片付けて、しかるのち、余力があったら、自分の根底を養うような修養をすべき
2月28日 人は生前、自分の全力を出し切って生きれば、死に臨んでも、「まああれだけやったんだから、まずこの辺で満足する外あるまい」という心にもなろうかと思う
3月17日 苦しみに遭って自暴自棄に陥る時、人間は必ず内面的に堕落する。・・・同時に、その苦しみを堪えて、これを打ち超えた時、その苦しみは必ずその人を大成せしめる
4月11日 単に受け身の状態で生じた感激というものは、決して永続きしないもの
4月14日 悠々として、60以後になってから、後悔しないような道を歩む心構えが大切
4月25日 少しも仕事を溜めないで、あたかも流水の淀みなく流れるように、当面している仕事を次々と処理していく。これがいわゆる充実した生活と言われるもの
5月20日 自己を制することができないというのも、畢竟するに生命力の弱さから
7月22日 階段の途中まで来ても、平地を歩くと同じような調子で登るのと同じように、人生の逆境も、さりげなく超えていくようにありたい
8月31日 我が身に振りかかってくる一切の出来事は、自分にとっては絶対必然であると共に、また実に絶対最善である
9月12日 私欲切断の英断が下さなければ、仕事はなかなか捗らぬ
9月13日 実務における先後の順序を明らかにするに至って、文字通り名弁の知を要する
9月15日 一度着手した仕事は一気呵成にやってのける(拙速主義)
9月18日 人間のたしなみというものは、言葉を慎むところから始まる
9月19日 謙遜ということは、我が身を慎んで己を正しく保つということ(すなわち、必要以上に出しゃばらず、またヘコヘコもしないこと)
9月23日 目下の人だからといって、言葉遣いをぞんざいにしないように(人間の人柄は言葉遣いによってわかる)
10月8日 1日の予定を完了しないで、明日に残して寝るということは、畢竟人生の最後においても、多くの思いを残して死ぬということ
10月12日 リズム感を磨くということは、生命の真の趣に触れるという意味で、人間修養の一助として大切
12月21日 いざという時に心残りのない道、これ真に案じて死に得る唯一の道