開口一番、「おい、ここは下町じゃないよ。ご府内だ!」。誰かが私のブログを印刷し、岩瀬さんへご注進したようだ。84歳のご高齢の岩瀬さんが、まさか私のブログを読んでいるとは思わず、驚いた。あちらこちらの人から、岩瀬さんの関連記事があると送って来るとのこと。
基本的には、私のブログ内では人の悪口は書かず、目に余るものに対しては、「いかがなものか?」程度で納めている。ましてや、「下町風情」と評した、ここ富久町や余丁町は、軒が重なるような近隣同士が和やかに過ごされている所もある。地下鉄の駅まで送ってくれた道すがら、すれ違う人、お店の人、しまいには派出所のおまわりさんまで挨拶をしている。どうみても「下町風情」と私は感じるのだが。
道路が出来るとのことで、あちらこちらに緑色のフェンスに囲まれた空き地が目立つ。岩瀬さんの家も一部引っかかるようだ。大井から移転してきた思い出の家も、なくなるのは忍び難い。戦時中、その大井の家は線路近くで、火災の恐れありとのことで、父親が商用で外出しているさなか、ノコギリを持った多くの人たちが目の前で柱をどんどん切っていった悔しい思いがあったようだ。
最近は電話では話をさせていただくのだが、お会いするのは久しぶりだった。10時前には到着し、1時過ぎまで3時間以上話をさせていただいた。私の親父の話、テスコの話、エレキギターやアンプの話など尽きない。昨年アメリカから取材に来られ、History of Japanese electric guitarsの著者Frank Meyersから送ってきた書籍を見せていただいた。この本はアマゾンで入手できる。Voiceの初版のカタログも掲載されていた。アルプス山脈を背景にVoice のギターが写っている。これらの写真は全て岩瀬さんの自前だそうだ。何故アルプス山脈なのか? 岩瀬さんのギターをアメリカへ販売しようとした、本人もギターを弾いていた元442日系部隊の日系アメリカ人が「アメリカ人は日本人の事を、南方の土人程度しか思っていない。」と言っていた。だから、岩瀬さんは雪のある日本を表現したそうだ。
このブログも誰かさんが岩瀬さんへ報告をするかもしれないが、オフレコ部分は書かないように言われており、その他を書いたつもりである。