markdadaoの日記

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鎌田實先生 の 「がんばらない」けど「あきらめない」 (命を支えるということ)  その1

RID2840の地区大会(桐生市)で諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生が記念講演を行った。

冒頭「命を繋ぐため、皆は命懸け」と言う。人は絶望的な状況の中で「良かった」を探し求めている。この「良いこと探し」は、生きる糧を見つけようとするためだ。津波で流された両親を探していた子供が、ようやく遺体安置所で両親を見つけた。「ああ一緒で良かった」。そして生前から自宅で死にたいと言っていた父が、自宅の瓦礫の下で発見された。「思いを遂げて良かった」。

茅野市にある諏訪中央病院に赴任して、地域に多い脳卒中を7,8年かけ長寿地域に変えた。そして年寄りが増えたが、医療費は増えていない。それは生活習慣を変える、行動変異を起こしたからだ。薬で治すよりは、脳卒中で倒れない原因を作ることだ。訪問介護やディケアは日本で初めて始めた。自分ならどうするだろうと考え、相手の身になって考えた結果である。

福島原発の30Km圏内へ第2陣として入った時、多量の薬を持っていったが、被災者には温かいものを食べることが必要だと考えた。そのために群馬県のアイエーフーズの社長さんからレトルトのおでんとビールを少量持っていった。その被災地は漁師町で漁師さんの気持ちになって、本来はアルコールは良くないとのことであったが、批判を無視して持参した。社会貢献をして9割が称賛するが、1割は批判される。大人は空気を読むから子供も空気を読むようになり、いじめをしている方が多ければそちらサイドについてしまう。批判されてもいいから自分が正しいと思えば、沈んだ空気の中では、入れ替えをしたりかき混ぜることが大事。頑張れと言われても元気が出ないと、漁師達は言う。しかし温かい食べ物で、自分達が帰るときにはたくさんの拍手をもらった。

精神分析学者のジークムント・フロイトは、死ぬほどの困難な局面に立っても「働く場があることと、愛する人がいると生きて行ける」と言っている。

続く