markdadaoの日記

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武田邦彦教授による富岡講演(原発事故)


テレビやブログ等で馴染みのある中部大学の武田教授が、富岡青年会議所(JC)の「とみおかグリーンプロジェクト2011」の環境問題の総まとめとして講演を依頼し、9月21日台風15号が県内を通過中に実現した。
JCの要望として「あまり原発問題に触れず、環境問題一般の講演」とのことであったが、半分以上の時間は台風の勢いに乗じてか、原発問題に費やした。観客も拍手でそれに応じた。以下はその講演メモ。

人類が造った原発震度6以上で壊れなかったものはない。過去日本で震度6以上あった5か所にある原発はすべてが壊れた。設計基準が震度4〜5で造られている。従って実験事実として震度6以上で壊れているのだから、何らかの判断が必要であった。
また世界的にも福島の様な地震発生地帯に建設されたものはまれである。世界で1番のアメリカはほとんどが内陸にあり、第2位のフランスという国は地震がほとんど発生しない。津波など想定していない、内陸中心のアメリカが設計した福島原発であった。また、フランスのストレステストなど日本に当てはめるのはいかがか?
福島原発の100分の1の放射能が漏れたが、これは広島の原爆の100倍に相当する。幸い当時西風が吹いており、国土の10分のいあm1で済んだ。逆であれば350Km圏内は避難しなければならなかった。今では福島県は300分の1程度に放射線量は減少した。ここ富岡では第1波は来なかったが、第2波で富岡は汚染された。第3波は大丈夫であった。
日本という国は原発は安全だと言いながらも、心配で過疎地域に交付金まで出してなだめて原発を設置している。フランスではパリの近くに原発があるのは、安心だからその場を選んでいる。原発がなくても電力は足りるのである。
被曝は世界基準としても1年に1msv(ミリシーベルト)までと決めたが、最近は1〜5msv.まで安全だとわかってきた。従って、日本では5msv.以上を被曝すると労災が適用される。予防の原則は1年1msv.であるが、国は子供たちの基準を20msv.とした。これは年400回のレントゲンを撮っているのと同じである。レントゲンを撮る場合は、操作する先生は鉛の部屋へ行き「息を吸って」と言いながらボタンを押している。子供は大人の3倍の感応度があり、どこの親御さんも子供が毎日2回以上のレントゲンを撮っていれば、学校に文句を言うだろう。国が目安として言っているのは、大人は1年1msv.子供は20msv.ではおかしいだろう。
最近空気中の放射線量は0.08msvまで減少してきた。除染(水拭き)したら戸外が2msvであったも、校内は0.08nsvとなった学校もある。従って子供達は夕方まで校内におり、安全を確保している。
内部被曝の減衰には3か月かかる。よって魚は危ない。少なく見積もっても50〜60ベクレルある。ワカメや昆布などは2000〜3000ベクレルもある。お米は11月ごろからの新米になれば安心である。子供たちへ被曝量を減らす努力を。
日本の防衛の観点から原発を稼働させる考えを持っている人たちもいる。それは1つの原発で半年かければ4,000発の原爆が出来るので、その能力を外交のパワーバランスに使う考えである。
福島原発から子供を守るというTV番組で、「東北の野菜を食べたらどうなりますか?」との問いに、「東北の野菜を出荷してはならない」と回答をし物議をかもした。90〜95%は大丈夫だと思うが、野菜にベクレル数値を明示すべきだ。「畑に青酸カリが撒かれているのに、そこへ苗を植えるのか?」と言ったのは、放射線セシウム0.1msvは青酸カリの2,000倍である。しかし放射能は水拭きをすれば取れるものである。今日のように大雨が降ればセシウムの線量が洗い流される。