markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

村田先生講義ダイジェスト


村田先生はLudwig von Misesの著であるHuman Actionをカテゴリーに分類、整理して「人間行為の経済学」として説いている。

先生は56年前ミーゼスを知り、堂々と資本主義を支持していることに驚きをもったとのこと。なぜなら当時の日本は、戦後の復興期で社会主義が資本主義より優れていると考えていたからである。

どこの国でも模型を作るのに説明書があり、それに基づき制作するのだがドイツだけは入っていない。組み立て説明書は「新しいものを作る」という夢を壊すという理由から入っていないそうだ。そして満足は目的となりえる。その目的に役立つものを手段と言うそうだ。
価値の順位は数量では計りきれないことが多い。あるのは順番だけだと。
交換に関してはマルクスの等価交換を例に出し、社会的平均的労働時間で計算するとなっているが、人によって作るスピードが違うので計算が不可能になる。しかしミーゼスの交換は「花より団子」を満足と考える人が花をもっており、逆に「団子より花」を満足と考える人が団子をもっている場合、それらを交換することで満足が増大するのだから、価値評価は正反対だから不等価交換だという。これは心理的利潤が生じ強制はしない。社会主義では満足(団子)と不満足(花)の交換はありえない。人は一人一人違うのだから「統計」はありえない。社会主義では人間を品物扱いしている。
数字は経済学の速記であるとする。従って経済は言葉で表現できなければ駄目だと。更に実例を述べることが出来なければ駄目だ。
市場経済とは消費者の意見に従い利潤を分配すること。
デリバティブなどの評価は、消費者が認めるかどうかという市場民主主義をミーゼスは考える。
消費者が何を考えるかには関心が無い。それを実現するための方法に関心があり、それが経済学である。
最近は人間の思考ではなくコンピューターのプログラムで価値基準が決まる。それはHuman ActionではなくMachine Actioとなりつつある。
戦中上海でハイパーインフレに見舞われた。リヤカー1台位のお金の交換であり、あとで中味を調べてみた。何と3分の1は札束ではなく新聞紙であった。このインフレを誘導したのは上海の軍隊にいた2人の将校(大佐と中尉)で日本共産党員であった。その後彼らは中国共産党へ逃亡をした。
また当時200元札を作ったが、偽札と銘打って殆ど処分をしたが、もし今もあれば希少価値がある。