markdadaoの日記

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中国の原子力発電事情

(社)日本原子力産業協会の中杉秀夫氏から中国のエネルギー関連のお話を29日にお聞かせていただき、今日早々とメールで次の貴重な資料をいただきました。
100127中国原子力発電運営体制Rev.6a.pdf 直
開口一番、中国は1年間に東京電力一つ分の発電設備容量を増やしているとのこと。中国の原子力発電はフランス製のコストの安い1世代前の機種だそうだ。
中国は潤沢な石炭があり、国内に張り巡らされた鉄道の75%が石炭搬送に使われている。そして年間石炭採掘所で1万人の犠牲者がいる。しかし石炭だけでは需要が間に合わないそうだ。
日本からのODAで世界のウラン鉱石を買い漁ったり、周辺国家の良識を顧みず南沙諸島を自分のものにしようとしている。
そして、原子力発電は2000年までは国家政府による一元化をしていたが、需要に間に合わず各省は政府がやらないなら自分たちでエネルギーを確保するとして、今や勝手に外国資本と結びつきエネルギー開発を行っている。国家発展改革委員会としては抑えが効かない状態で開発はばらばらである。
東芝はすでに中国へ4基を建造し、今後10基増設する計画です。中国全土は2050年には40〜50基の原子力発電所ができる予定。
スリーマイル島の事故により、アメリカでは東芝の子会社のウエスティング・ハウス社は工場を稼働できないので、中国に工場を設けそこからアフリカなどへ積極的に販売している。反面フランスは技術移転によりノウハウの流出を避けるため、質問されたことのみ回答するという、技術コピーを恐れた消極的な対応をしている。その点三菱は半年で技術移転を行う、気前の良さであったそうです。
今日の日経新聞の社説に「低炭素化への電力の供給を見直そう」が掲載されていた。コスト面から見ると、太陽光発電は1KW時約48円・風力発電が10〜14円・石油火力が10円・原子力が6円と太陽光発電の8分の1。
電気自動車等の普及にともない15年後には5割近く電力需要が高まる見込み。二酸化炭素排出量の少ない原子力発電は低炭素社会の担い手となる。そして2018年までに日本国内で原発9基の増設計画があり、政府のリードと世論の高まりが電力需要を確保することになるだろう。