markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

ニッポン再起動を読んで その2

竹中平蔵新自由主義者でアメリカの回し者だの批判的な意見を聞くことがあります。しかし、自由な資本主義の社会に生活する私たちは、彼の意見も素直に聞いてみたいと思います。
また、サザンオールスターズの新曲『ピースとハイライト』に対し、若い一部の人たちが政治色の濃い歌詞として批判しています。その傾向は政治に関し「口を出してはならない」という暗黙了解を感じます。私たち国民は日々の忙しさと、専門家ではないので詳しいことはわからないとのことで、票を投じて私たちの代わりに議員や首長に政治を任せているわけですから、もし『おかしいな?』と思う時は「口は多いに出さなければならない」わけです。

ダボス会議での懸念。
日本と中国は世界のGDPの第3位と第2位の国であり、両国で世界のGDPの約2割を占めています。
仮に両国の関係が悪化して、双方の経済活動に影響が出て成長率が1%ずつ下がったとすれば、単純計算でも世界経済は0.2%押し下げられます。日中間の争いは、世界経済にこれだけの影響を及ぼすのです。

世界はシュンペーター的競争の時代に入るという予測がなされています。シュンペーター的競争というのは、イノベーションの競争の時代が訪れるということです。
もう一つの大きな予測は、いかにグローバリゼーションに対する批判があろうとも、グローバリゼーションは徹底して進んでいき、英語が国際語として王座に君臨し続けるということです。

なぜ日本の会社にiPodが作れなかったのでしょうか。日本のメーカーは機械を作ることばかりに集中して、「新結合」に目が向かわなかったからだと私は思います。
iPodはmハードウェアに大きな価値があるわけではなく、システムそのものがイノベーションでした。
こうして「ハードウェア」と「コンテンツ」と「ネット」が結合して、新しくて大きな価値を生み出しました。この一連の生態系を生み出したことがイノベーションだったのです。

中曽根さんや小泉さんは、既存のエリート達とは違う次元で勝負をしました。だから(官僚のエリート集団に)飲み込まれなかったのです。
田中角栄元総理も、異端児中の異端児でした。田中角栄さんが40代で大蔵大臣になったとき、大蔵省のエリート官僚達を集めて次のような挨拶をしています。
「君たちは東大出身のエリートだ。大蔵省に入ったエリート中のエリートだ。私より知識をたくさん持っている。私は大臣室を開けておくから、いつでも入ってきて、何でも私に教えてくれ。上司の許可を得なくてもいいから、いつでも大臣室に入ってきてくれ。君たちの話は何でも聞く。そのかわり決めるのは私にやらせてくれ。私は国民から選ばれた立場にあり、修羅場もくぐっている。だから最後は私が決める。すべての責任はこの田中角栄が負う」
この言葉に大蔵官僚たちの方が飲み込まれてしまったそうです。

より広い交流をするためには積極的に海外に出ることも重要です。世界中から来ている人たちと交流し、異文化に出会い刺激されることで、新結合のヒントが見つかる可能性があります。(イノベーションの本質)

破綻しそうな会社に救済の為のお金をばらまくのではなく、儲かっている会社にさらにイノベーションを進めてもらう為にお金を還元する方が重要です。結果的により多くの雇用を生み出して、雇用の拡大につながっていきます。
残念なことに、こういうプランは国民受けしないので、政治家は勇気を持って主張することが出来ずにいます。「儲かっている者を助けて、弱者を切り捨てる」というイメージで見られるのを恐れているのです。

続く