markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

不動態化


客先の製品の説明を受けていた時、「不動態化」という言葉を耳にした。ステンレスなどを溶接した際、耐食性が落ち錆が発生するのを防止することだそうだ。
客先ではステンレスを溶接した際、後に残ったくすみを取り、かつ錆を発生させないステンレス焼き取り機を作っている。方法は中性電解液を布にしみこませた電極で、溶接したステンレスの汚れを触れるようにしながら取り除いてゆく。実際に作業を見せていただいたのだが、瞬間にその汚れが落ちる状況を見た。
この技術は35年前に始まった当時の市場は見向きもしてもらえなかった。しかし1件、1件とそのくすみを取り除いた際のきれいさと、錆を発生させないことで、評判を重ね、その10年後にはこの方法が一般的となったそうだ。従来は酸性のペースト状の硝弗酸を使用していたのだが、皮膚や衣服への付着で問題であった。そして防錆効果が無かった。そこで中性の電解液を開発し、電源機器の周波数を調整しながら、現在の様な高品質な製品を開発したそうだ。
仕上がりが奇麗で早くでき、公害を生まない、そして作業者の健康を考慮した製品で、医療機や厨房機器、建築金物に多く使われているとのこと。