久しぶりのKORG本社への訪問。ショールームにステージが出来ており、たまには演奏会場となるそうだ。天井は防音プレートが貼ってあるのだが、周囲はガラス張り。「音が反響するのでは?」と聞くと、「薄いカーテンを引くが大音量は無理だ」とのこと。
現在は香港に調達オフィスがあり、中国周辺で部品購入や組み立てを行っているようである。しかし、近い将来はベトナム調達になるようで、昨今の中国での人件費などのコストアップにより、海外企業は生産最適地へ工場を移している。
音楽楽器の業界はコスト低減のために様々な努力を行っているのだが、私見として「安かろう悪かろう」では音楽にならないと考えている。何故ならば、音楽は情緒にコミットする人類の文化であり、騒音にしてはならないと考える。従って一定の品質を確保したうえでのコストの切り詰めが条件である。
残念ながら真空管アンプでは、音のグレードを決める出力トランスにいたっては形だけとなっている。音の品質の限界を定め、製造コストを決めてゆきたいのだが。これはメーカーだけの責任ではなく、それを購入する一般ユーザーの見識に左右される。
iTunesやiCloudのおかげで音楽のコストが下がり量が増えた。昨日友人のプロギターリストと話したのだが、「テレビに出ているプレーヤーも、固定的な仕事が少ないのでアルバイトをせざる終えない」との事。カラオケが定着し、ミュージシャンによる音楽の価値が見いだせなくなった時代なのかも知れない。日本でのライブハウスは赤字経営が多いようで、バンドマンの仕事場が少なくなっている。