1962年に発足したWCS(世界社会奉仕)が2010年11月のRI(国際ロータリー)の理事会でロータリー・ボランティア・プログラムと共に廃止されることが決定されました。
2010年12月、当時のRI事務総長エド・フタ氏から各ガバナーへ配信された理事会決定案内のメールは、すぐには理解できませんでした。そこで、RI日本事務局の奉仕室の大木氏やネット情報から以下の理解へとたどりつきました。
冒頭、「改訂されたRI長期計画の優先項目、並びに『プログラムを基本としたモデルからリソースとサポートのモデルへ』へのRIプログラム運営の全般的転換の必要性を反映したものです」と書かれておりました。
この文脈を理解する前に、WCS生い立ちを想像しました。1962年(昭和37年)はアメリカではケネディー大統領時代、そしてベトナム戦争が行われ、多くの植民地が独立をしている頃でした。アパルトヘイト問題が勃発し、ウ・タント氏が国連総長になった年でした。因みにRY1962-63のRI会長はカルカッタ・ロータリー・クラブ (インド)のニッティシ C. ラハリー氏で、WCSが廃止となった今年度の会長カルヤン・パネルジー氏もインド出身とは因縁を感じさせますね。当時の国際感覚として、世界の多くのロータリークラブや地区が国際奉仕を推進させる為の情報が不足していたと考えられます。そこでRIプログラムとして援助を要請する情報を1か所にリストアップ(ProjectLINK)し、国際奉仕をしようとするクラブや地区がその情報をもとに選択し、直接要請のあるクラブや地区にコンタクトをしたのです。
但しその援助内容に条件を設けました。これがWCSプログラムの3条件である、
1)人道的なものであること。
2)2カ国以上のロータリー国のロータリアンが関与すること。
3)参加国のうち1カ国はプロジェクト実施地であること。
約半世紀続いたWCSシステムも、今日では誰もがパスポートを持って渡航出来る時代、海外の情報や接触の機会が増え、当初の役割を終えたと考えられます。ましてProjectLINKへ要請しているクラブの信頼性や保証はRIでは管理されておらず、すべて支援者の自己責任となっております。ただし今のところ、リソースとしてこのProjectLINKは廃止されることは無いと奉仕室は説明しております。
また、RI長期計画の優先項目の一つとして「人道的奉仕の重点化と増加」があり、この枠組みの中で国際奉仕プロジェクトを推進させたいと考えているのかと思います。
<続く>