一昨日、会計士事務所で景気について、集まった4人で雑談をした。内容は以下の通り。
- 一昨年のリーマンショックで経済に急ブレーキがかかり、昨年少し持ち直した日本の経済も、今回の震災で更に半分に落ち込んだ。リーマンショック前の経済に戻る、と言う事は当面考えられない。
- 復興事業の流れに乗る事が出来るならば、その企業は回復するだろうが、肝心のその流れ方が見えない。
- 車は日本の総合産業として成り立っている。しかし車は従来の半分も売れれば良いほうだ。従って、広く裾野まで影響が出てくるだろう。
- 今は、東北経済に大きな穴が空いただけで、穴埋めをしている状態ではない。これからその穴を埋めるところだ。雇用の機会が減少しているので、個人の可処分所得も急減している。従って、総じて個人消費は減少するだろう。
- 3.11を想定していない昨年末の経済見込みは、この5月より2年間は回復基調と言われていた。しかし、元に戻らないほど日本経済のパイが小さくなったとするならば、もし海外に打って出る事が出来ないならば、企業は縮小均衡を計るしかない。
その海外情報の一つとして、中国上海についてK君が説明をする。
- 上海のVW(フォルクスワーゲン)は日系企業と違い、部品の供給問題等を抱えていないため、全く影響がなく工場が運営されている。
- 今の中国は日系企業を追い出しに計っているのでは? もし出て行くなら、設備などを買い取ってやる(安く)という態度である。10年前とは様相が一変した。
- CANONキャノンはCan notと言われ、出てきた当時は日本から下請けを連れてきた護送船団であった。しかし今は現地調達に切り替え、日系下請け企業はお払い箱となってきた。
- 日系企業は部課長クラスまでを日本人で占め、中国スタッフが育たない。また上海人は上海以外から来る労働者(外来人)を奴隷扱いする。そして上海人はファミリー閥、閨閥等で企業人事を占めている。
- 受注を取るのに、中国社会では食事などの接待が必須。そして日本人が上海で商売をしてゆくためには、商売の如何にかかわらず共産党党員の人脈が必要。
- 表だって日本人の排斥はないが、社会や会社内でも密告制度があり報奨金を出しているので、商売は正しくやらねばならないので、利益は出ない。
- 袖の下の例として、税務署職員へ50万元の旅行接待をすると、見返りに250万元の節税があったと聞いている。税関に賄賂を回すと、スクラップの評価にお目こぼしをもらったと言う話も聞いている。中国ビジネスは上から下まで、バックマージンの社会である。
- 中国人は日本人の勤勉性や品質管理を敬う一方、騙そうとする。しかし西欧人に対しては敬う気は無いが、対等に付き合おうとしているのが現実である。