デザインを重視する商品を取り扱う方たちと、ビジネス打ち合わせの合間の会話。
日本滞在歴18年のフランス人曰く、以前乃木坂に住んでいた時、高級マンションの部屋をビルから見下ろせたのだが、散らかしっぱなしで彼らは部屋をきれいにしようとしていない。
日本人は自宅に人を招待することが少ない。だからあのように部屋をきれいにしようとしないのか。外食や外での附きあいが多いので、自宅を演出する気風が無いのでは。洋服など外に見せるファッション商品などが伸びていた。逆に高級下着はなかなか売れなかった。
しかし昨今、不景気のせいか外食産業が低迷し、人々は家へ回帰している。だからチョコレートフォンデューなどを輸入しようと思ったとのこと。
照明関係の方曰く、ブランド力によるホームコレクションが将来のビジネスになるのでは。セレクトショップでトータルコーディネートされた生活環境志向の人が増えてきている。またはフランフランやIKEAの様な値頃感のある商品を展示しているところでは衝動買いもある。伊勢丹のメンズ館の成功は、そこへ行くと洗練されたファッションをまとめて入手できるからだ。
このような話を聞きながら、市場は外へ向かうビジネスから、内へ向かうビジネスに方向転換を始めていると確信する。
照明の方が話を続ける。外へ向かうビジネスの代名詞のような乗用車が、今の若者にとっては単なる移動の手段でしかないので、業界は低迷しているのでは。こだわりのある住まい（マンションなどの空間）作りとして室内家具や照明、備品などが今後のビジネスアイテムとなろう。しかしわずかな人だけしか、自分の鑑識眼で商品を選別することが出来ない。多くの人は写真や実験的な空間を演出したイメージを提案することで、購買を促すことができるそうだ。
隣と同じではなく、自分らしさを取り戻す生き方が出来る時代になる。その”らしさ”にセンスが光れば、それはその人の生き方すべてがオシャレとなる。
