markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

文明の落とし子 「ドローン」

首相官邸の屋上にドローンが落下 している事を4月22日発見、セキュリティーを問われ大騒ぎとなった。フランスのパロット社が数年前、ドローンを発表しアメリカの展示会で、軍事に使えるのか関係筋で検討している事を耳にした。
歴史上、画期的な製品が市場に現れると、マイナスが先行するきらいがある。
ラジオしかない時代、テレビが出現し、いながらにして遠い所の物が見える便利さを、国民はテレビに釘付けとなり「一億総白痴」になると、社会評論家の大宅壮一が警鐘を鳴らした。学校では週一回テレビの観ない日を奨励した。しかし、それらの懸念をよそに国民は誰一人白痴にはならなかった。人々の知恵はテレビを時計代わりにしたり、ビデオ録画して観る時間を管理するようになった。従って従来の視聴率の精度は低下している。
電話が一般に普及し、長電話による料金の負担が問題となった時代がある。しかし人々の知恵で、ショートメールやテキストで費用負担を低減させた。携帯電話の普及し始め頃は、電波障害で頭が悪くなるなどその弊害が問題となった。心臓ペースメーカーの誤動作が懸念されたが、現在15cm以上離れれば問題が無いことが証明された。もちろん携帯電話で頭が悪くなったという事例は聞いたこともない。むしろ、ダイレクトに電話の相手につながる便利さが高まった。スマホに関しても、リスクよりメリットがあると判断され、世界中で使われている。パソコンも迷惑メールや個人情報の流出などネット犯罪としてのリスクはあるが、それ以上のメリットを見出して、多くのユーザーはPCやスマホを止めようとはしない。
便利なツールは悪用もされるが、その便利さをもって市民権を得てきている。ドローンに関しても、人々の知恵でいずれは問題が解決されるだろう。自動車も飛行機もその事故で多くの命が奪われているが、人々の知恵による安全対策で死亡事故が軽減されている。大きな事故を起こした原子力発電も、安全対策を担保に、低コストによる電気エネルギーとして、徐々に再開されてゆくだろう。
人々は新たなる文明の機器を手に入れるため、犠牲を乗り越えて今を作っている。これは止どまることのない欲望。地球環境問題で発展途上国は、「我々は文明を享受する権利があり、今の地球環境悪化の原因は先進国にある」と言い放った。そこで「シンプルライフ」や「質素倹約」など人間のもつ文化の意義を唱え、世界の需給バランスを維持しようという試みも道半ばである。