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markdadaoの日記

真空管アンプ用トランス、スマホ用衝撃吸収フィルム、RC、政治経済、読後感想など

中国の現況(K君からの情報)

1月29日のブログよりK君からの意見をいただいた。内容は2回に分けて記載する。1回目はK君の意見。2回目はK君の中国進出から現在までの感想。

昨今、中国への仕事の流れは、確かに逆流し、停滞状態から手痛いところにまで加速していると感じます。また、その流れは何本かに枝分かれし、そのうちの比較的細い一本が日本へ向かっているように見えます。その他多くは、明らかに賃金の安い国へ流れているようです。

 ほとんどの完成品は、様々な機能ブロックの集合体であり、その集合体に様々な部品が使われています。製品によって違いますが、どの段階を日本へ戻すことが出来るか、という議論になるのでしょうね。

その製品を安定供給するための経営資源は、複雑に絡み合い地球上に分散しています。それぞれが、現在の生産拠点から日本へ移動する要因は、もちろん為替変動が背中を強く押していますが、過去から将来への人件費高騰を含んださまざまなリスク回避の手段の一つとして、日本回帰が実現することもあるのだと思います。

上記リスク以外に、国情不安、自然災害、品質維持、文化習慣などの要因もあると思いますが、その問題はつぎの機会に説明させて頂きます。結論として日本に戻したほうが都合が良い物はそんなにはない気がします。 

 以下は体験談的現状説明。

 中国におけるリスクについて:

中国から出て行った仕事は、何千人という人達に電気ドライバーの使い方を教えて、ネジを締めればなんとかなるような組み立てする労働集約型の仕事。あきらかに賃金上昇へのリスク回避であり、こうした仕事の流れは日本には向かない。賃金の安いところがあれば、さらに次々と出ていくのだろう。

一般的な電化製品の裏にあるラベルに、記載されている生産国を見れば進み具合がわかると思う。最近「MADE IN CHAINA」以外の国をよく見かけるようになった。そうした新興国で組み立てる部品の供給元は、まだ中国製が多いと感じる。それはインフラが十分でないのと、生産に必要な知識・技術移転に時間と労力がかかっているからだと思う。

  人件費について:

中国では、全人代で人民の所得を10年間で2倍にするとか決めるので、数年後の売り上げに占める人件費は計算できる。労働契約法、その他の縛りがなければ、ほとんどの外資はもっと逃げ出しているに違いない。

上海市最低賃金が15年前は570元、今1820元!実績からみたらだいたい計算は合う。しかし、1820元の給料ならば、共通語(普通語または北京語)が満足にしゃべれない60歳をとうに過ぎた人を、守衛としてならば良い人を雇える。(弊社の守衛は1600元くらい)(現在1元が約20円)

弊社の女性ワーカーの平均手取りは、残業含みで4700元、上海ではとにかく人が集まらなくなってきた。上海人は残業したがらないし、外来人(上海以外からの出稼ぎ)は残業がなければすぐに去っていく。

また、上がるのは賃金だけではない。上海市社会保険制度では、対上海人に対しては約1.5倍増加し、外来人に対しては、(昨年まで毎年上がり)1人一律1000元だったのが、今年から上海人と同じ負担率になった。外来人の比率が70%の弊社にとっては、また負担が増える。

あ、あと・・・自分の血圧もだんだん上がる。

 15年前、日本で同じ内容の仕事をするパートとの人件費比較で、二十分の一だった記憶がある。それが、円安により換算レートも悪化し、もうすぐ二分の一に迫ろうとしている。(念の為・・・上海市にあり、国の規定を厳格に守らねばならない日系企業である弊社の場合である)

ちなみに河北省の小規模同業社は1800元程度とのこと。たぶん社会保険はないだろうし、地方の所得税率は優遇措置で低い。沿岸に集中していた仕事(工業)が、上がり続ける賃金をきらい内陸に移動して久しいが、この例では日本の五分の一程度。

 一方で日系の品質重視型製造業を保っていくには、各セクションに日本人技術者を監督官として配置し、常に技術レベルを維持する必要がある。これは、中国人の特性から見てほぼ永久的に必要だと思える。

大きな会社の出向者は、日本本社の在籍待遇に加え、家賃20万円以上の部屋に住み、子どもがいれば日本人学校の費用も会社負担。ある会社は、単身出向者でも手当を含めて一人当たり90万円かかるとのことだった。弊社のような小さい会社は、住まいは一人一部屋の合宿形式でも、日本の給料に加えて30万以上の費用がかかった。

中国における材料の価格:

鉄板、ステンレス、などの価格しかわかりませんが、中国材に変えてもメリットをあまり感じていません。品質要求を確保しようとすれば、単純比較で日本価格のせいぜい80~90%くらいです。

鉄板の輸入材価格=日本の売価+輸入関税(大体10%)+増値税17%+輸送費

日本価格ベースを100円/kgとすると弊社に到着すると150円/kgくらいになる。

 輸入材を使用した製品を輸出する企業は、保税(関税・増値税無し)扱いで輸入できる、その場合は、約122円。

中国生産材=90円(と仮定)+増値税17%+国内運搬費で118円くらいな。

 輸入材と中国材との単純比較では、中国材は輸入材の80%程度の価格。保税扱いで輸入できれば中国材に近い価格にできる。ただし全部輸出することが条件。

 鉄の場合、日本ではゼロ円に近いスクラップがこちらでは25円/kgになる。これは日本より有利。スクラップ率が40%程度の弊社では、この影響も大きい。最近、中国国内需要が低下し、相場が下がってきているのだが。