markdadaoの日記

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北京第4伝染病病院


新型インフルエンザの感染による死亡がニュースから流れている。専門家は今のN1H1インフルはブタからで、更に危険な鳥インフルを忘れてはいけないと警告している。
数年前、中国における鳥インフルの感染者の隔離病院として、北京第4伝染病病院がTVのニュースで放映されていた。忘れもしないこの病院へ、約20年まえ数日間入院したことがある。
当時仕事で中国に出張し、その帰国前日私は嘔吐と下痢で脱水症状となった。北京に中日友好病院があることを知っていたので電話し、看護婦さんにホテルまで迎えに来てもらった。
入院し点滴を丸1日行ったのだが回復せず、その夜血圧が50以下に下がった。看護婦が夜の12時を回ったころ、他の病院へ移す旨を伝えてきた。そこは電話もあり、日本語も通じて快適だとのこと。とても起き上がることもできず、ただただうなずくだけだった。
車いすで病院の外まで運ばれ、救急車の担架に乗せられた。しばらく走ってから、その救急車の職員が「お金はあるか?」と質問してきた。真夜中で不吉な予感がしたので、「私は日本人だ。金はたくさんホテルにある。」と答えた。
そして北京市郊外の病院へ連れて行かれた。車から降ろされてから、その病院の中に入るなと言われ、外階段で2階に上がりテラスを歩かされ、ある病室へ連れて行かれた。立っていられなくなり、そのままベッドに転がるように横になった。しばらくして大きなマスクと白い帽子で目しか見えない看護婦さんが来て、太くて痛い注射針を腕にさし、点滴をセットしていった。
翌朝、大きなエンジン音で起こされた。外を見るとDDTを各病棟にめがけ散布をしている、エンジンポンプの音であった。

廊下から約20cm各窓を通じて、お茶碗山盛りのご飯と吸い物、そしてボタンホールのない中国独特のパジャマを渡された。ボタンが掛けられず前をあけたまま、その後も点滴を続けた。終わることのない点滴のさなか、テラスから同じ階の患者たちが、物珍しげに私を覗く。また目だけしか見えない看護婦が来て排便の回数を確認に来る。最初は何を言っているか全然わからなかった。da-bien、多分大便だろうなと推測するしかなかった。熱で背中は痛いし、腕は点滴のスピードが早く痛くてかなわなかった。
電話は確かにあったが、交換手が超スピードの中国語でまくしたてるし、誰も日本語が分かる人がいない。シャワーがあると言ったが、水だけでそれも断水状態。トイレがあったのは助かった。終わりのない点滴でトイレは必要だった。しかし山盛り一杯の御飯の食事はとても身体が受け付けず、飲み物だけで頑張った。3日目になり、「この状態が続くと、退院できそうもない」とあせってきた。(続く)