一昨日の明け方、先輩のSさんがまとまった資金の運用を依頼してきた。もちろん現実の話ではなく夢の中での話。
私は、めったに夢を見ることはないのだが、夢を見るとそれがしばらく記憶に残る。そして、「久しぶりに会いたいな」と思っていた矢先、今日のロータリークラブの例会でS先輩が先週急逝されたことを耳にした。
S先輩はクラブ会長と地区委員長を歴任した後、10年ほど前に退会をされた。それまでは中国、ベトナムや韓国へ一緒に旅行をした。先輩と私はタイプも違い、周囲の人はまさか二人で旅行をするほどの親密さを知らなかったのではないだろうか?しかし、私は先輩の好きな釣りには興味が無く、次第に会う機会が減り、最近ではご家族で昼食を摂られる時、偶然レストランで会う程度となった。
不覚にも同じ街にいて先輩の逝去を気付かず、今夕自宅へお悔みにお伺いした。開口一番奥様が「死んじゃったのよ、あっ気なく」と。そして「居ないと淋しいね」とポツリ。線香を手向けてからひとしきり奥様の話を聞く。
このご夫婦は誠に仲が良く、海外へ行くと先輩は真っ先に奥様へ電話をするのが習わしだった。亡くなる数日前までは、「痛みで眠れない」と言うので睡眠薬を服用した。そうすると奥様の肩を使わなければトイレに行けなくなる。そこで「迷惑をかけるので」と、痛みを我慢して睡眠薬を服用しなかったそうだ。身体をむしばむ病に泣き言一つ言わず、亡くなる前日まで下職の人と打ち合わせをしたそうだ。
昨今、老人介護ビジネスが盛んになったが、その10数年前、私達二人でこのビジネスの調査に出向いたり、商売やロータリーのことを良く話をした。自分の葬式に来なかった私の様子を見に、夢に出たのかもしれない。私には先輩からの過分なプレゼントだったPatek Philippeの腕時計が形見となってしまった。
享年73歳、あと3日で誕生日だった。人生悔いなく活躍された、先輩のご冥福をお祈りします。