markdadaoの日記

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「はじめの始まり プリクとシマン」


アメリカのヒューストン国際映画祭の学生部門最高賞であるプラチナ賞に、旧官営富岡製糸場のドキュメンタリー映画「はじめの始まり プリクとシマン」が昨年受賞された。その総合プロデューサーである櫻井真樹さんとその所属する中央工科デザイン専門学校副校長の笠原文男先生にお会いするため同学校を訪問。
目的は来月私たちのロータリークラブで卓話とその映画の上映の打ち合わせであった。当日の時間配分や先生のプロフィールなどを確認したが、その後の雑談は興味があった。

この映画は構想から撮影、編集までで約半年で完成させたそうだ。きっかけは同校の70周年の記念事業として約30名の生徒達と制作、脚本・演出、撮影・技術を役割して完成させた。先日も生徒達を連れて旧官営富岡製糸場を訪れたそうだが、とても残念に思ったことがあった。製糸場へ向かう道路にはイメージを損なう程の大きな看板があった。お店の商品を製糸場を訪れる観光客へ紹介するものである。ただ自分の商品を売ることにしか関心がなく、世界遺産の可能性のある製糸場の町の雰囲気を考えていないと思った。
また、学術・文化・観光の香りがその周辺からは何も感じられないことは残念であり、あれではリピーターが来ないだろう。製糸場内ではボランティアのおじさん達が場内の説明をしているが、もう少し工夫が必要ではないだろうか?最近のこのようなスポットでは「おもてなし隊」とか人力車などが走っているのに。それを観光客の財布を開けさせようということしか関心が内容に見受けられる。

外部から見た旧官営富岡製糸場とその周辺への厳しい意見は大事だと思う。ましてや商売以外の人たちの地元の盛り上がりに欠けるのではないだろうか?
大事なことは、ユネスコ世界遺産のテーブルに載る程の旧官営富岡製糸場を活用した町づくりを、私たち市民も考えて取りまとめてゆかなければならない。明治初年よりこのレンガの建物の中で営まれた、日本で最初の近代産業の息吹を歴史に刻み、今の日本があるという価値と偉業を讃えたい。そのような考えの中でコンセプトを固め、その周辺(バッファゾーン)の統一したイメージ作りをすることでリピーターが生まれるのではないだろうか?横浜や函館のレンガ倉庫や川越の小江戸など、なぜ再訪したいか考えてみよう。富岡は「明治」をキーワードに使えるのだからそんなに難しくはないのだが。また櫻井先生も仰っていたが、このような歴史的観光地での雰囲気を壊す看板はやめようと。前からの持論であるがWi-fi環境を整備し、個人のスマホやレンタルのiPadにより町を探索したり、美味しいお店を紹介したり、製糸場内の案内(年齢に応じ対応可能、大人への内容は子供には理解しづらい)出来るのだが。
100年前から続く製糸業、それから、これから100年後はIT産業もそのうちの有力な一つである。ここをスモールIT企業のインキュベーターとして無料で解放してあげたらどうなの? ここは歴史的に大きな地震の災害もなく、約5万人によるベーター版トライアル(サンプルソフトの試用)ができるのに。