markdadaoの日記

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萩原敏孝 人物画展

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最近、美術館に出向く機会もなく、たまたま高崎高島屋のアートギャラリーをのぞいてみた。人物画で暖色系のタッチである。ほとんどが瞳が描かれてなく正対で横顔は無い。

しかし、その中で200号ほどの大きな1点の作品には無数の死体が描かれ、その左側に瞳がある顔が描かれていた。私が祖母から譲り受けた、関東大震災の記録写真に酷似していた。

この絵を描いた画家の心持ちを知りたくなった。ちょうどこれらの作家である萩原氏がおられたので、絵は素人であると前置きをして率直に聞いてみた。

その応えは「頭に浮かんだので描いた」「瞳を描いていないのは、今ひとつ踏み込めないからだ」「モデルはいない、全て自分のイメージである」「青系を使うことが苦手で、暖色系になる」「画布の左上から描き始めるので、右側がおろそかになる」「以前イタリアを訪れ風景画を描いたが、苦しかった」

私の大人気ない質問に対し、誠心誠意、素直な人柄を伺えさせる、率直なる回答であった。話しを進めると、いっぽの会の井田先生のお弟子さんであった。「作家の人柄が絵に現れる」と言われているが、まさに虚心坦懐な作品である。