markdadaoの日記

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高齢者講習

ここ数年老人ドライバーによる重大な事故が多発している。

そんなおり、先日高齢者講習を受けた。70〜74歳になる人を対象にこのような講習が開催されている。75歳になると認知機能検査が追加される。この講習を受講しないと、運転免許の更新手続きができない。

2年前に施行された新規の道交法のため、混雑を想定し早めに申し込みをした。そして指定された日に近隣の自動車教習所へ出向く。受付で5,000円ほどの手数料を支払い、講習に参加。この日は3人一組で4組に分けられ、「いつまでも安全運転を続けるために」という教則本にて指導員の説明を受ける。

その後、外へ出て実車指導を受ける。受講者は運転席と後部座席は2名が乗車し、指導員の指示のもと運転を始めるのだが、私が最初だったのでコース選定の想定ができず慎重になり、直線コースは35Km/hを最高速とした。クランクや車庫入れ時のハンドリングは習慣で片手の平で回さないように、気を回した。おかげで運転行動診断票を確認するとすべての項目に対応できていた。見通しの悪い交差点や一時停止標識では左右を確認しながら一時停止をするのではなく、とりあえず一時停止ラインに車を止め、左右の安全を確認してから微前進する。

横道からベンツが一時停止ラインで止まらず、運転席から左右が見えるところまで急に出て、側道を走行中の私の甥のオートバイがぶつかり命を落とした辛い思い出がある。走行している車に意識を取られ、自転車やバイクも走っていることを忘れてしまうのであろう。

実車講習が終わり、また部屋に戻り、視野測定を行った。私の両目視野角度は180度であり、20代と同等とのこと。次に夜間視力測定を行う。これは明るい光で目を幻惑させ、急に暗くして中心にある目標物を確認するまでの時間を計測するのだが、2回とも7秒であり、30秒以内で合格とのこと。次の動体視力検査では0.7秒との事で、30〜50歳平均に相当との事でした。

私の反応時間(空走距離)は平均的で、これに制動距離を加算すると、町中で平均時速40Kmで走行していると停止距離は22m、高速道で平均時速100Kmで走行していると停止距離は112mとの事だから、前方車両が完全停止してから、この距離以上の車間距離を取っていないとぶつかってしまう。現に昨日群馬ー東京間の高速道路で渋滞を巻き起こした事故は追突であった。

講習指導員が「老人によるアクセルとブレーキの踏み間違いは、年をとるとカカトを持ち上げられなくなりペタルを間違えるのだ」と言っていたが、昔のバスのマニュアル車ならば、カカトを上げなければブレーキは踏めなかったが、オートマチック車はカカトが床から着いたまま、ブレーキとアクセルを操作しているのが一般的と思われる。「ブレーキの踏み間違いはパニック」とニュースで言っていたが、本当かどうか信じられない。通常アクセルペタルを踏んで走行しているのだから、減速や止めたい場合はまずアクセルを離すだろう。

合計2時間ちょっとの講習でした。最後に受講修了書をいただき、すぐに公安委員会へ赴き、免許更新の手続きをした。

50年前、優先道路を走行中の父の車の側面へ、十字路から酒気帯び運転の車がブレーキもかけずぶつかり、その衝撃で助手席のドアから放り出された母は奇跡的に助かったが、父は前面ガラスを突き破り車の下敷きとなり事故2日目に命を落とした。ほんの1秒違えばこのような事故は起こらなかったが、運命として事実を受け止めなければならなかった。今日、父より15年も長生きをさせてもらった。