markdadaoの日記

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日大二校1年F組

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表通りから一筋入った居酒屋風小料理屋の相席座敷で、隣席の若い男女たちへ「ことわり」をいれてるじいさんがいる。

「俺たちは約10年ぶりでクラス会やっているので、少々うるさいが勘弁してくれ。」とか、官僚出身の気配りYG君。そんなことお構えなしのOT君が口角泡をで、福島から新幹線でやってきたSE君に自論をぶちまけている。

定年退職し、今は近所の小学校で用務員をやっている幹事のON君は、今朝早く上海から戻ってきたKM君と意気投合し、「来年は上海でクラス会やろう!」とみんなの話しを止めてアッピール。

実家に戻り、案内状を見ていないKM君を電話で呼び出し、みんなから面影が無いと攻め立てられる。自由になった彼は半年前からウッドベースを始め、ジャズのウオーキングベースを弾きたいと言う。

歯科医のKD君は遅れてきたAK君に「君たちは自分たちだけで、女子部と合同同窓会をやったそうだな」と詰問する。じいさんとばあさんの同窓会では同調者もなく、話は断ち切れとなる。その隣で静かに飲んでいる地元のFD君は、今日の設営場所の提案者でこの「寿栄広」は馴染みなそうだ。三鷹駅北口の横河電機裏にある店は、新鮮なネタのわりにリーズナブルな値段で人気がある。店内の広さを見ると、予約をした方が良さそうだ。

生牡蠣、プリプリなボタン海老、ぶつ切りにし油の乗ったトロ、イカ、名産のタケノコ、里芋、黒豆、味付けされた絶品なシシャモなど。最後にチーズがたっぷり乗ったオジヤをかき混ぜ、小ぶりの茶碗でいただく。唯一下戸な私はお新香をちょいと乗せ、お代わりをするほど旨い。

 

写真部にいたKN君は最後の記念撮影の際、フラッシュ付き小型カメラでアングルを決め、料理屋の女将に「シャッターを3回押してくれ」と指示をする。スマホに慣れている女将は、「画面が真っ黒くなった」と戸惑う。シャッターボタンと電源ボタンを間違えたようだ。

一般的には卒業年度のクラスが単位となる。しかし我々の日大二校は私立なのに風紀や規則が厳しく、2年生昇級の際多くの友人が退学となった。そこで半世紀近く1年F組クラス会が継続している。

酒を飲まない私だけみんなと別れ、車に乗り込む。フト思う。今日集まった3割ほどはまだ現役だが、50年近い経験と知識、人脈を今の世の中に生かせれば、どんなにか役に立ち、我々も生き甲斐を全うできる、と。東京へ来る途中ラジオで聞いた4歳児の「人間は何で生きるの?」の質問に答えが見つけられそうだ。