markdadaoの日記

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Marshall JTM45のうんちく  その2

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 写真はJTM45の音の再現を試みたアンプ(技術アドバイザー製)と電源トランス・出力トランス・チョークトランス(アテネ電機製) 

 

 

英・米の電圧の話をしておきます

ギターアンプなどに利用する一般的な電圧は、イギリスが240V、アメリカは120V、日本は100Vですね(他の多くの国では220Vあるいは110Vというのが最も多いのですが)。

イギリスは高電圧/小電流、アメリカは低電圧/大電流であり、アンプに使用される電源ケーブルもイギリスは細め、アメリカでは太めとなります。アメリカの最もちっちゃなでアンプ「チャンプ」(出力5W弱)のケーブルの方が、マーシャルの100Wアンプより太いケーブルだったりします。もちろん、一次側フューズの定格アンペアは同じアンプでも使う国により違ってくるので注意しなければなりません。

 

ついでに、二次側、主にB電源供給回路にある「HTフューズ」は、イギリスではごく一般的に入れられ、アメリカのアンプではほとんど使われていなかったのも面白いところです。また、初期のイギリスのアンプでは、整流管が必ず使われていたためもあり、スタンバイスイッチの必要性については軽視されていた様で、スタンバイスイッチ無しのモデルが多いのです。対してアメリカのフェンダーでは、かなり古くから整流管使用でも、しっかりスタンバイスイッチは備えていました(当然、5F6AコピーであるJTM45も英国製ながらスタンバイスイッチ有りとなります)。

そしてこの電圧・電流の差と関係あるのか、スピーカーインピーダンスとアンプの出力インピーダンスも両国のものに特色がでていますね。マーシャルはセレッションのアルニコ16Ωスピーカーを組み合わせたキャビがほとんど。前述のとおり、JTM45には16Ω4発パラシリ-ズ結線でトータル16Ω。またブルースブレーカーでは16Ωをパラ結線で入力としています。ちなみにVOX/AC30では、同じセレッションアルニコのをシリーズ使いにして、アンプ出力トランス16Ωに接続しています。対してフェンダー等アメリカでは圧倒的にトータル入力のスピーカー使いが多いです。ほとんどスピーカーはを組み合わせる事が多いのです。また、古いチャンプなどにはスピーカーが定番でした。そして、5F6Aに至ってはでアンプ出力トランスとマッチングさせており、このあたりにイギリスとアメリカでのアンプ作りのポリシーの違いが見えるような気がします。

余談ですが、1950年後半〜60年代、当時、アメリカのモータウン・レコードなどは低音がブリブリと鳴って、イギリス・ロンドンアビーロードスタジオ等でレコーディングされたのは、悪く言えば薄っぺらい音と評されていたとか。でもそれはそれで、逆にアメリカでは人気もあったそうな。(完)

 

弊社では、多くのオールド・マーシャルファン達からご相談受けるトランスは、最初にイメージしているものがJTM45ヘッドなのか?それともモデルナンバー「1962」クラプトンスペックで有名な'6566年に作られたコンボアンプなのか?を確認させていただきます。求めるものが明確であれば、トランスの選定もスムーズになると思います。

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