markdadaoの日記

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トランプ次期大統領とフィリピンのドゥテルテ大統領

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予想に反してトランプ大統領候補者がヒラリー・クリントンを破る。昔、共和党の院内総務の委員会に属していた人でさえ「アメリカの大統領選は票が開くまでわからない」とよく言っていた。直接投票(選挙人制度)による国民の意思決定は、選挙プロでも読みきれないのだろう。日本の自民党総裁選で永田町では逆転し安倍政権となったが、石破氏は党員票(自民党員である国民)では勝っていた。ようは国民の志向は票読計算では計り知れない。

 

両陣営は3割づつの固定票の積み上げとして、残り4割の浮動票を取りに行った。この浮動票は隠れトランプで現体制に反対し、政治プロから一般人に国政を取り戻したいと考えていたのか? とにかく今回の大統領選は中傷合戦が目立ち、公約の記憶はトランプのメキシコ国境に塀を建てることぐらいであった。低賃金の移民者に職を奪われた人たちは、トランプの人間的資質よりその端的で過激な意見に賛同をした。

イギリスの国民投票によるEU離脱もしかり、理性な判断より民衆の感情が票となり伸ばした。そして戦いの後の「そんなはずはなかった」騒動は長続せず、アメリカも同じようになるだろう。その国民判断が正しかったのか、間違いであったのかは、年を経て歴史が明らかにする。日露戦争後の講和条約に対する国民の不満爆発など、情報不足や為政者によるプロパガンダで、民衆は軽挙妄動してしまう歴史が日本にもある。太平洋戦争でも真珠湾攻撃の成果に国民は浮かれ、敗戦色が濃くなった戦争末期には軍事政権を恨み、戦後の民主主義を一夜にして迎合した。しかしそのような中、一途に平和思想を貫いたマイノリティーの人たちもいた。が、大半の意見により国家の命運を決める。

フィリピンのトランプと言われたドゥテルテ大統領の麻薬撲滅政策における殺人の奨励も、国民は賛同してしまう。しかしその背景の一つに経済の成功が条件となるだろう。中国から大きな借款を引き出し、また訪中の際、大規模な経済ミッションを引き連れていた。同じく日本へもしかり。そして、中国での発言を翻すように、日本でリップサービスを撒き散らす。なかなかのやり手政治家と思わせる。

おそらくトランプも同じように、アメリカ国内の経済を優先するため保護主義に走ると言われている。現在のTPP構想も簡単に袖にし、国に有利な提案をテーブルにのせてくるだろう。8年目に政権を奪還した共和党は上院、下院とも過半数を抑えた。共和党内でのアンチ・トランプとの分裂を懸念するが、勝っている時の組織は争いも沈静化するだろう。

以前、ブログにも書いたように、アメリカが批准しなければTPPは成立しない。

 

markdadao.hatenablog.com

 

そして、ヨーロッパの極右勢力の台頭、イギリスのEU離脱、フィリピンの過激な大統領就任、そしてトランプ次期大統領の出現と、今年は変化する分岐点に立っていると思われる。この結果を生み出した原因は、すべて国民の大多数の意思によるもので、人間の理性と感情を理解しないと現状が見えなくなる。

その感情の総和が国民主権として変化を求めたと理解する。