markdadaoの日記

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坂城町のキッチン・フライパンで商売を知る

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長野・上田にある新規のお客様へ営業訪問。午後1時の約束のため、上田菅平ICを降り18号を坂城方面に向かう。ちょうど昼時のため食べ物屋を探しながら走る。上田の町をを過ぎる頃から、なかなか見つからない。ついに坂城へ入ってしまった。

 

さっき見かけた「レストランの味をお届けするフライパン」と書かれた仕出し屋さんのようなお店があり、Uターンして向かう。「営業中」の看板を頼りに中へ入ってみる。カウンターにはワイシャツ姿のサラリーマン風の方が何か食べている。昔の洋食屋さんのメニューであった。年配のご夫婦でやられているようで、奥さんが注文を取りに来る。

「この『日替わりランチ』は何ですか?」と聞くと、早口に「メンチカツ、エビフライ、オムレツ、スパゲッティに味噌汁付きで、その他コーヒーが付くが、これ以上何をつければいいんだ!?」とまくしたてられた。メニュー内容を聞きたかったのだが、「この他に何をつけりゃいいんだ?」と言われて二の句もつけず、ましてやこれを断れば「お前に食わすもんはない」と言って追い出されそうだった。思わず「日替わりランチとアイスコーヒーをお願いします」と答えてしまった。

この後、何人ものサラリーマン風の馴染みのお客が来ては「日替わりランチ」を頼む。そのうち、「ホットコーヒー」と頼む客達に「まだあるかな?」と独り言を言う。そして「あんたのコップは大きいから少なく見えるけど」と言って他のお客にも均等に注いでいた。

この日替わりランチは老夫婦で決めた値段だろうが、儲けはないんじゃないのかな?と、奥さんの言葉のはしはしに感じる。馴染みの客は厨房に入っているおかみさんの手を煩わせないように、650円きっちり置いて行く。4人で来ている客には「領収書は要らないよね」と大声で言っていた。私は細いのがなく「すみません5000円で」というと、先に用意された350円を渡され、「ちょっと待ってね」と言って4000円を奥から持ってきた。

商売をこのように伸び伸びやっているのはいいもんだ。「この他に何をつけりゃいいんだ」と言うのは、メニュー内容と単価に自信があるんだろう。そのコスパが良いから客も離さない。わかっているんだね、この老夫婦は。

思わぬところで商売の秘訣を学ばせてもらった。

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