markdadaoの日記

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「話しを目で眺め、事実を耳で聞く」

11日の日経新聞「春秋」に興味深い一節が書かれていた。それは「話しを目で眺め、事実を耳で聞く」と言うギリシャアテネクレオンの演説のくだり。

 

その意は、「口達者な者の話にはその通りと思って目を奪われ、事実を自分で見ずに耳から信じる」。筆者はDemagog(煽動的民衆指導者)として大統領候補のトランプ氏やEU離脱派の党首のそれを著している。

確かに政治家の話しだけでなく、日常生活でも陥る過ちである。会議では弁舌巧みな発言者に誘導され、近所の世間話では声の大きいおばさんの話しをまともに受け入れてしまう。

だいたい詐欺とは、このような人間の心理の隙をついて行われるものだろう。EU離脱派公約の国民医療サービス財源案も、まるで集団詐欺にあったようなものだ。

人の話しを聞く側は、自分の都合にイメージを作る傾向がある。そして、信じられる人と分類してからは、自分の目で確認もせず信じてしまう。

占い師は一般的な事象を話し始めるが、聞き手側が一つでも適合するものがあると、その占い師を「信じられる人」の分類へ入れる。従って、占い師も詐欺師も、聞く側の分類項目に入ってから効力を発する。

問題は、何を言っているかより、誰が言っているかに注視してしまう事。そして、人間は誰しも本当の事を言いながら、不確かな本人の期待的な嘘も混ぜる事がある。幼少の子供達の会話が立証しているよ。