マレーシアはパームヤシの2大産地の一つである。約510か所ある工場からパームヤシ油を抽出し、その搾りカスが河川を汚している。
その搾りカスを回収し、乾燥させ固形物はボイラーの燃焼剤として、液状のものは発酵させ堆肥として活かす。更に河川に浮遊している細かなカスはいったん沈殿させ、固形燃料(石炭の代替エネルギー)として電力会社などが購入することになっているとの事。
結果として、河川の浄化と、自然エネルギーの再利用に伴い約4割のCo2削減がはかれる。そしてNEDOの協力を得て、4分の1規模の実証実験を行ったそうだ。このプロジェクトは2015群馬イノベーションアワードの大賞を得た。
この素晴らしい発明をした後輩の前田君が、アメリカ研修旅行から帰国したので話を聞いた。
今回の旅行の目的の一つは、このプロジェクトへのアメリカの投資家の反応を知る事にあったと。しかし、彼らはアメリカの利益になることしか関心がないようだった。それでも、シリコンバレーに拠点を持つベンチャーキャピタルのFenoxなどはアジアを狙っているようだ。因みにシリコンバレーの生い立ちは、戦前日本人が開拓しりんご園を作り、アップル社の社名の由来にもなっているという説がある。
このプロジェクト1案件の総費用は3億円で、すでにマレーシア内で装置は製造出来るようになっているとの事。リターンについては、本人に聞いていただきたい。こういう話は、リターンが良すぎると眉唾ものとなり、悪いと腰がひけるので迂闊な事は言えない。
それでもアジアではインドネシアを主に2000余のパーム油製造工場があり、需要はかなりある。すでにマレーシアでは10プラントの計画があり、3年で投資回収を計画しているようだ。
自然界の産物を余りなく使うことが、人間の知恵であり共存できるルールではないだろうか?