Marshall 1917 (20W)の真空管ギターアンプに使われている電源トランスの修理依頼を受けました。下記左図が従来付いていた電源トランスです。お客さの要望で「当時のイメージを損ねないように」とのこと、下記右図のように全て紙巻で仕上げました。入力電圧だけは100V系としました。
当時のイメージを損ねないように、従来取り付いていた締め金具やボルトはそのまま活用しました。
その後、「音が出るように」とのことでアンプヘッドもオーバーホールすることになりました。中を開けますと、下図の通りファイバーボードが激しく燃えた箇所が中央部分に見つかりました。炭素化しており、絶縁上はあまり良くはないのですが、お客様の要望により、交換パーツ類に関しては、外観および特性は当時のものにできるだけ近づけるように、こだわりの製作をすることになりました。
正味1ヶ月以内で下図のとおり完成し、お客様に引き渡しました。
このアンプは発売当時はPA用に売られたもので、内部の様子から発売直後の1967年製と推定されます。面白い事にはこの回路と全く同じで、当時ギター用、ベース用として売られていたと、弊社テクニカルアドバイザーのA氏が言ってます。因みに、このアンプに使用されているトランス類は、当時マーシャルがRSから購入し、専用に作らせたモノではありません。
そして昨日、お礼のメールをいただきました。
アンプ届きました。今回は大変お世話になりました。希望通りトランスもきっちり直していただき、安心して使えるようになりました。回路修正及び修理していただき感謝しております。
今日午後から1日弾いておりました。凄く良い音で鳴ってくれています。どうもありがとうございました。
費用はトランスの再生を含め5万円以下でしたが、上記のように喜んでいただけることが励みになります。
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