ELEKIT(エレキット)のブランドで有名なイーケイジャパンが発行している資料の中に、真空管と音質の関係を端的に示しているものがありました。以下に抜粋します。
現代の半導体アンプは極めて理想に近い測定値(スペック)を持っているのに対し、真空管式アンプはノイズも歪みも格段に大きく、数値的には明らかに劣ります。にもかかわらず良い音質に聞こえるのはなぜでしょうか?
それは真空管の特性カーブが二次関数であり、二次高調波と呼ばれる歪みを発生することが最も大きな要因のようです。二次高調波は原音の二倍の周波数成分のことで、音楽的にはオクターブ上の「倍音」成分にあたります。倍音は楽器の音にも豊富に含まれる成分で、音に艶や潤いを与える作用があります。
一方、半導体デバイスの歪みは大半が三次、五次など奇数倍の周波数成分です。原音とは異なる音階の音が加わることになり違和感を感じやすいので、半導体アンプでは歪みをゼロに近ずけるために様々な工夫がなされているのです。
スペックでは半導体に及ばない真空管ですが、その「有益な歪」によって、半導体アンプをしのぐ音質で今でも人々を魅了し続けています。
オーディオの世界でもこのように音質を大事にするため、真空管アンプが主流となっていますね。まして楽器として使われるギターアンプに関しては、自然界の豊かな音を創造できる真空管アンプが必需と思われます。
うちは、その真空管が生み出す音質を忠実に表現出来る出力トランスと、その電力を供給する電源トランスを作っています。
倍音についての紹介