markdadaoの日記

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50Wクラス真空管ギターアンプ用出力トランスのチェック

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今回は50Wクラスの真空管ギターアンプ用の出力トランスのテストを行った。全部で8種類の出力トランスをスナップスイッチで比較する方法をとった。前にも話したと思うが、音は意外と記憶に残らないので、瞬間に音を切り替えて比較をしなければならない。残念ながらVOXに搭載されていたAC50(3.5KΩ/8-16Ω)のリード線が短く、計測できなかった。しかし、Mercury 045RS-L (149Ω) 6.6KΩ/8Ωと、弊社のAGOT-05J (156Ω) 8KΩ/8Ωとの比較はできた。

Eric ClaptonがBlues Breakersのアルバムで使用したアンプJTM45(初期のMarshallが20台だけ作り、それをクラプトンが持っていた)に使用されていた出力トランスは、当時Marshallがアンプを作り始めで専属のトランス屋が無く、イギリスの電気パーツ商社のRS(Radio spares)の在庫品であったオーディオ用をまとめ買いしたものである。それが神話となりMercuryがレプリカ(045RS-L)を出し、アメリカのアンプビルダー達が高い費用(約300㌦)を出すほどの人気機種となっている。そしてオーディオ用のため、どの機種にも使えるようにタップがたくさん出ている。確かに現物を見ると、コアも10枚組で、合わせカバーも凝ったハンマートーンメッキ仕様となっている、まさに当時のオーディオ用である。

比較結果は、音出しをしてくれたギター奏者の方の感想は、Mercuryより弊社のAGOT-05Jの音を好んでくれた。理由は「低域の歪みが潰れなく快い。」「ナチュラルドライブが大人っぽい。」「中域の音の艶が良い」等であった。ギター奏者には既成概念をもたれないように、トランスの説明をしなかった。実際に私も聴いて感じたのは、和音(コード)を歪まして弾くと045RS-Lは音が潰れるのだが、AGOT-05Jはそれぞれの音がわかる気がした。それとリードをとったときの単音には粘りを感じた。

このAGOT-05Jも中域特性を出すように設計された出力トランスで、価格は従来品の3分の2以下。オーディオ用の低域から高域までをフラットの周波数特性を出すのではなく、ギタープレーヤーの好みの音域を強調したものだ。そのうちHPにもこの機種をアップする予定である。

トランス事業 - 変圧器・トランス・フィルムのアテネ電機

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