markdadaoの日記

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為替から発想する

新聞やテレビ、ラジオで毎日のように為替レート(円とドルなど)を発表している。これは元中曽根総理の時代に始まった。と、経済評論家の長谷川慶太郎が、当時講演会で言っていた。あのころは輸出入企業でなければ、為替相場には無頓着であった。

私など1970年代前半、アメリカへの観光へ羽田から出発し、為替相場は360円/ドルの固定相場で変動相場制前夜であった。円は360°だから360円としか考えていなかった。

ちなみに戦前は1ドル4円程度だったが、敗戦で360円になったということは、貿易で90倍のハイパーインフレに見舞われたということだ。

為替は国家間の相対的な力関係と考えると、現状の120円/ドルが安いのか高いのか?少なくとも変動相場制をとっている国家として、日銀主導で為替を操作するのはいかがなものか?しかし、結果として円安のため外国人観光客の急増する来日、自動車業界を筆頭に輸出産業の 収益増という結果を生み出している。その反面、輸入材のコストアップのための値上げが浸透し始めている。

国の経済力の相対的な優位さや、為替レートの操作は実は人間がやっているのだが、個人でコントロールするのは難しい。問題は、急激な為替変動にある。徐々に変動して行けば市場の価格変動の浸透が、川上から川下に公平になされるのだが、人間の性と言うか得になると言えば必要以上に集中するし、損の発生が見込まれれば、これまた必要以上に逃げて行く。いい塩梅がない。

急激な為替変動は最近の気候と同じで、昨日まで3月頃の薄寒い気温が、翌日は真夏日で30℃を超える。これでは体力の充実している若者は耐えられるだろうが、じいさん達は身体がついてこない。まさに先進国病のじいさん達が先にまいって、ふだんから不足がちの発展途上国の方が生き生きしてくる。

竜巻や自然災害で被災にあい、隣家はその被災から免れていたとする。その時、隣家を羨むのではなく、受けた被災からどう立ち直るか全力で復興に努める。体力が無くつぶされてしまうかもしれないが、もし何とかなった時その復興力はあらたなる筋肉を生む。輸入業や輸入材に依存する企業や人たちは、円安で浮かれている人たちを羨むのではなく、自己の力をつけるチャンスととらえ、知恵をもって前進する。